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長野県

がけのゆおんせん・ぐんじょうかく

崖の湯温泉・群上閣

本棟造りの大きな屋根から北アルプスが眺望
崖の湯温泉は、松本市と塩尻市の市境近くの山の中にひっそりと湧く温泉です。その昔、猿が湧き出る泉で傷を癒しているのを見かけたことから発見されたという伝説のある古い温泉です。山の中腹にいくつかの温泉宿が点在していますが温泉街は形成されておらず、各々の宿が佇むように建っています。群上閣は三角の大きな屋根が一際目を引く本棟造りの建物で、ひっそりとしながらもどっしりと構えた宿でした。今回は季候も穏やかな6月上旬の平日に訪れました。真っ昼間に訪れたのですが、歓楽要素のない温泉地ということ、また平日ということもあり、ほとんど人の気配が感じられません。わりと大きな宿なのですが、ここも人の気配がないので不安になります。宿の前の駐車スペースにクルマを停め、宿の入口に向かいます。玄関は建物の裏側にありました。あまりにも静かなので、休業もしくは廃業かとますます不安がつのります。しかしながら玄関は鍵がかかっていないし、中も綺麗なので大丈夫そうです。立ち寄りでの入浴を請うと、奥から人が出てきて愛想良く出迎えてくれました。浴室はロビーのすぐ奥、廊下の並びにありました。脱衣所はけっこう質素で棚にはカゴが並んでいるだけで、飾り気のないものです。動くのかどうかもわからない旧式のマッサージチェアも置いてありました。また、少し(かび)臭いような()えたような臭いもします。けっこう年季を感じますが、けっして汚らしいわけでもなく、ただ古びているという印象です。浴室もまた古びたような年季を感じるものです。内湯のみですが、タイル張りの浴室は意外にも明るく感じます。内壁側が洗い場で外側が湯舟というシンプルなスタイルで、大きなガラス窓からは外の景色が眺められます。窓の外は山の谷側に向かって開放的な景色があります。開放的といっても半分は木々が覆っているので、緑豊かな景色というべきでしょうか。非常にのんびりとした大らかな景色です。湯舟は中央を縦に太い木材が架けられています。そんなに大きな湯舟というわけでもありませんが、区分けしているイメージでしょうか。そしてここで面白いのが湯の注ぎ口なのですが、ポトスがこんもりと覆い茂っているのです。とてもインパクトがあって、趣すら感じます。湯は無色透明で見た目のインパクトはありませんが、ツルッと柔らかな感触があります。温度もちょうどよくて、のんびりと浸かっていましたが、よくよく見てみると湯舟の底のタイルも模様が凝っていてとても鮮やかです。館内が少し鄙びてきているので古さは否めませんが、けっこう洒落た宿なのかもしれませんね。ただただボーッと湯に浸かりながら、静かに過ごすことができました。
掲載: 2010/12/11
Data
  1. 所在地:長野県塩尻市片丘
  2. 源泉名:群上閣源泉
  3. 入浴 :2010年6月
  4. 泉質 :石膏泉
  5. 形態 :温泉旅館 男女別
  6. 効能 :リウマチ性疾患、痛風および尿酸素質、創傷、高血圧症など
  7. 露天風呂:なし
  8. 開放度:☆
  9. 清潔度:☆
  10. 気軽度:☆☆
  11. 穴場度:☆☆☆
  12. 鄙び度:☆
  13. 景色 :☆☆
  14. 総合評価:☆☆☆