大分県

えびすだにおんせん

夷谷温泉

地元の方も通う、山の中の名泉
大分県の北部にある国東半島は、両子山を中心に円形状に突き出た半島です。その形からもわかるとおり、かつての火山がそのまま半島になったようです。そのほぼ中心近くにいくつかの温泉があるのですが、その中のひとつ「夷谷温泉」に行ってきました。大分空港からはクルマで40分ほどで到着しました。けっこう山の上の方にあるので、自然豊かな緑の中という印象があります。とっても静かな場所なので秘境感もありました。そのわりにしっかりと整備されているので、観光ついでに立ち寄るにも便利なところのようでした。駐車場の先には切妻屋根の田舎らしい民芸調の建物があります。軒先の赤い暖簾がしゃれています。館内に入るとけっこうガランとした妙に空間の広い感じで、右側に休憩所、左奥が浴場のようです。浴室に入るとこちらもガランと余裕のある佇まいです。けっしてそんなに大きな規模ではないのですが、ゆったりとした雰囲気がありました。外壁側には洗い場、そして内壁側には湯舟が並んでいます。湯舟は三つ並んでいますが、奥が主浴槽で中央にあるのが気泡浴、手前にあるのは水風呂で、水風呂の脇にサウナもありました。洗い場にはボディソープやリンスインシャンプーも用意されているので、タオルさえあれば事足ります。体を洗い流したところでさっそく湯舟に浸かりますが、湯は独特な変わった色をしています。鴬色というか若草色というか、ちょっとくすんだ色合いです。底が見えないぐらいの濁り具合がありました。湯は非常にマイルドな肌触りで、意外と刺激は少なめです。金属的というか土臭いというか、ミネラル的な匂いがプンプンと漂います。外には露天風呂もあるようです。外への扉を出ると、建物沿いに少し回り込んでいった先に岩風呂がありました。こちらの岩風呂は規模は小さめですが、すごくいい雰囲気です。周囲は花崗岩の巨石に囲まれ、正面にはチョロチョロと竹筒から湯が流れています。緑に覆われているので、山の中の野湯にでも入っているかのような、ワイルドな雰囲気もあります。両脇には高い壁がしっかりとあるのですが、天井もなく、正面はわりと開けているので、すごく解放感もありました。また、内湯にくらべてぬるめなので、じっくりと湯に浸かることができます。チョロチョロと流れる湯の音と、小鳥のさえずりを聞きながら、非常にまったりと過ごすことができました。それにしてもこの湯は本当に気持ちがいいです。温度が低めのこともあるでしょうが、とにかくマイルドなので長湯していても疲れません。山の澄んだ空気を満喫しながら、温泉でリフレッシュできました。登山客にも人気があるそうですが、訪れた時にはほぼ地元の方といった感じです。すごくローカルな雰囲気を楽しみながら、気持ちよく利用できました。
掲載: 2021/10/12
Data
  1. 所在地:大分県豊後高田市夷
  2. 入浴 :2021年4月
  3. 泉質 :カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
  4. 泉温 :源泉40.7度
  5. 掘削深度:1200メートル
  6. PH :7.1
  7. ラドン含有量:2.0×10-10Ci/kg
  8. 蒸発残留物:1.423g/kg
  9. 形態 :公衆浴場 男女別
  10. 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
  11. 露天風呂:あり
  12. 開放度:☆☆☆
  13. 清潔度:☆☆☆
  14. 気軽度:☆☆☆
  15. 野趣度:☆☆☆
  16. 秘湯度:☆☆☆☆
  17. 景色 :☆☆☆
  18. 総合評価:☆☆☆☆