栃木県

たかおおんせん・のてんぶろ

高雄温泉・野天風呂

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栃木県の北部にある那須温泉郷は茶臼岳の山腹に点在する観光温泉地です。茶臼岳は今も活発に活動している成層火山で、その恩恵で大きな温泉郷を形成しています。古くから親しまれた温泉で、奈良時代の文献にはすでに那須温泉について書かれているとのことです。今でも人気の温泉地で、春にはトレッキング、夏には避暑地として、秋は紅葉、冬はスノーパラダイスと、四季を通じて楽しめるレジャー観光地として定評のあるところです。那須温泉郷はメインとなる那須七湯（那須温泉、三斗小屋温泉、大丸温泉、北温泉、弁天温泉、高雄温泉、八幡温泉）の他、いくつもの温泉地があり、その中のひとつ高雄温泉は超ワイルドな野天風呂があるということで、訪れてみました。高雄温泉は那須湯本から２キロほど登ったところにあります。温泉神社の辺りから脇道に入り、けっこう急な山道をずんずんと進んで行きます。ちょっと心細くなるぐらい寂しいところですが、突然、広いスペースが出てきます。ここはもともと旅館があったらしいのですが、今では更地になった跡地があるだけで何の施設もありません。ところが温泉だけは湧き続けていて、それが野湯になっているのです。クチコミ等で知られているようで、平日の昼間にも関わらず何人もの入浴客が訪れていました。温泉は山の斜面から湧き出ているようで、それが川となって流れています。その川をところどころ堰き止めるように湯舟が作られていて、段々になった風情ある岩風呂が続いています。荒々しい岩と、翡翠色をした湯がとても絵になります。しかしここは完全な野湯です。誰が作ったのか、簡素な脱衣スペースはあるものの、屋根や壁どころか男女の区別さえもなく、当然、マッサージ器もなければ、扇風機も体重計も、フルーツ牛乳さえもない、完全無欠の野湯です。また、山の中腹にあるので、見晴らしも抜群、いや途轍もなく開放的です。湯舟は大きいものもあれば、小さなものもあり、混雑していなければグループごとに貸切状態で利用できます。また、湯舟によっては上流からパイプで湯が運ばれて、打たせ湯のようになっているものもあります。足場は悪いので、ゴロゴロとした岩に注意しながら湯舟に浸かります。温度もちょうどいいぐらいで、本当に天然の温泉にそのまま入っているというのが、たまらなく贅沢な気分にさせてくれます。夜間になると照明もないので辺り一面真っ暗闇ですが、眼下に夜景も見え、そして頭上には星空も見え、こちらもムード満点です。とてもお気に入りで何度か訪れていますが、いつ来ても満足気分で楽しめます。こんな素晴らしい湯が無料で利用できるなんて、幸せすぎます。もちろん地主さんはいるようなのですが、ご好意で開放しているのだそうです。私有地なのでくれぐれも迷惑行為には注意し、ハメを外しすぎないように節度を持って気持ちよく利用しましょう。（追記:その後、ここにはおおるりグループの「おおるり山荘」という温泉宿が建ちました。野湯はなくなりましたが、その面影を残したワイルドで開放的な露天風呂が健在です。）

掲載: 2000/01/01

Data

1. 所在地:栃木県那須郡那須町
2. 入浴　:１９９８年４月
3. 泉質 :硫化水素泉
4. 泉温　:源泉４０−４１度
5. 形態　:野天風呂　混浴
6. 効能　:リウマチ・切り傷・皮膚病など
7. 露天風呂:あり
8. 脱衣所:なし
9. 開放度:☆☆☆☆☆
10. 野趣度:☆☆☆☆☆
11. 秘湯度:☆☆☆
12. 異色度:☆☆☆
13. 人気度:☆☆☆☆☆
14. 景色　:☆☆☆☆☆
15. 総合評価:☆☆☆☆☆