静岡県
ほっかわおんせん・くろねいわぶろ
北川温泉・黒根岩風呂
波の音に心が和む海岸の混浴露天風呂
伊豆北川温泉は、伊豆半島の東海岸、中間あたりにある海岸沿いの温泉地です。昭和初期にポーリングで見つけた温泉だそうで、海岸沿いにいくつもの宿が並んでいて、規模は大きくないものの活気ある温泉地となっています。その温泉街の入口に名物の露天風呂があります。海岸の護岸のすぐ目の前、広大な海を眺めながら入れるという、とてもダイナミックな露天風呂です。ここには何度か訪れているのですが、10年ぶりぐらいに再訪してみました。いつものように護岸の階段の上で入浴の受付をします。何も変わっていないなぁ、などと思い階段を降りていくと、正面には「男」と書かれた暖簾が揺れています。ここは男性の脱衣所の入口で、左奥へと進むと女性の入口があります。以前はもっと大らかで、屋根もちょこっとある程度だった気がするのですが、ずいぶんと立派になっています。さっそく中に入ると、すぐに脱衣場です。簡易的な棚があるだけの脱衣場で、そんなに広くはありません。そしてそこを出ると目の前には大きな岩風呂が二つ並んでいます。ゆったりとした湯舟で、正面は壁も柵もない海岸です。ゴロゴロと大きな石が積み重なっている海岸で、波はすぐ間近に感じられるダイナミックな景色が広がっています。さっそく湯舟に入って、ふと一息つくと、なんとも癒される解放的な気分になります。ところが、何か違います。以前の黒根岩とは雰囲気が違うように感じます。何かと思ったら、混浴ではないのです。以前は混浴になっていて、奥に小さな女性専用浴槽がありました。また、時間帯によっては女性専用タイムとなっていて、混浴が苦手な人も気兼ねなく楽しめるシステムとなっていました。ところが、完全な男女別になってしまったようです。個人的には混浴よりも男女別の方が、異性を気にすることなく気兼ねなく入れるので嬉しいのですが、この湯舟に女性が入れないというのも可哀そうな気がしました。湯舟は大きく二つに区切られていますが、やや奥側の方が温度が高めに感じるぐらいで、大した違いはないようです。壁際の岩から熱めの湯が滴り落ちていました。湯は無色透明というよりはちょっと濁っている程度の感じで、湯の流れた跡は赤茶色に変色しています。温泉の成分によるものなのでしょう。割と軽い感じの湯で、さらりとすっきりした湯という印象です。また、湯舟には「アメリカを見ながら入る野天風呂」と書かれた石碑がありますが、どんなに晴れたときでも、未だかつてアメリカが見えたことはありません。晴れたて澄み渡った日には伊豆大島や利島の島影が見えました。太平洋を眺めるということは、気分的にはアメリカを見ているような感じになりますからね。波打ち際で波の音を聞きながらの入浴は、非常に気分のよいものでした。いつまでもこの湯舟が健在でいることを望みます。
掲載: 2020/06/28
Data
- 所在地:静岡県賀茂郡東伊豆町北川
- 入浴 :２０２０年３月
- 形態 :露天風呂 男女別
- 開放度:☆☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 野趣度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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