大分県

かみおかおんせん

神丘温泉

原爆症に効果があると噂の隠れた湯治場
別府温泉は源泉数日本一という正真正銘の温泉天国ですが、またそれぞれが特色豊かで個性が感じられます。別府温泉はまさに温泉博物館なのです。数ある別府の温泉の中でも「特効、原爆症」というすごい効能で評判の温泉があります。別府の市街地にあるといっても、けっこうわかりづらいところにあるので、わりと秘湯的存在かも知れません。外観はかなりボロい(失礼!)&どう見ても雑貨屋か何か商店的な雰囲気です。半分朽ちかけている看板をよく読まないと見過ごしてしまいがちなところです。中に入ってもやっぱり雑貨屋って感じで、温泉の雰囲気はまったくありません。恐る恐る店の番をしているおばさんに入浴の意思を伝えると、奥にある湯舟に案内されました。浴場は中に入ってすぐ目の前が女湯の入口で、右奥へ進むと左側に男湯がありました。浴室の目の前にカゴが並んでいるので、着替えを入れてから浴室に入ります。中は素朴というか、鄙びたコンクリート壁に囲まれた小さな浴室で、真ん中に木の湯舟がポツンとあります。少し熱いかなぁぐらいの無色透明な単純泉だけれど、こんこんと流れ溢れ出る雰囲気といい、サラサラした湯ざわりといい、想像以上に気持ちよかったです。そしてここでよく体を洗ってから本命の泥湯へ向かいます。泥湯は男湯の目の前のドアを入ったところにあります。こちらは混浴になっているので順番待ちになることもあるようです。中に入るとこれがまた廃墟か?と思うほど殺風景な所で、部屋の一番奥に湯舟がありました。泥湯ということで透明度はホント1センチもない濃い湯なのに、見た目に反してさらっとしていて泥っぽさが感じられません。色はまさにヤクルトの色そのまんま。ビフィズス菌がたっぷりということはないけど、イメージ的に甘そうな感じ(そんなことはありません)の湯です。湯舟はポコポコと中央あたりから泡が出ていました。なかなかのロケーションで興奮気味に浸かっていると、なんだか肌がツルツルとする感覚があります。2〜3分浸かったあと、乾かしてまた浸かるという作業を2〜3回ほど繰り返すと効果があるとのことで、頑張って試してみました。う〜ん、じんわりと肌に染み込んでいくような気がしてきます。皮膚についた泥が乾きにくいところは悪い部分だとのことで、よくよく観察してみると、おおーっ、なるほどそうなのかも・・・。最後にはまた単純泉の浴室にもどって体をあたためて出てきました。いやはや満足。効能が原爆症とあるだけに、広島、長崎からの湯治客が多いようです。戦後はまだまだ終わっていないんだなということが実感させられる湯なのでした。
掲載: 2002/02/08
Data
  1. 所在地:大分県別府市
  2. 入浴 :2000年11月
  3. 泉質 :(1)単純泉
    (2)鉱泥温泉
  4. 形態 :公衆浴場 単純泉:男女別 鉱泥温泉:混浴
  5. 効能 :単純泉:原爆症、神経痛、尿デビス反応、胃腸病など
    鉱泥温泉:運動機能障害、水虫、ムチウチ症など
  6. 露天風呂:なし
  7. 清潔度:☆☆
  8. 気軽度:☆☆
  9. 穴場度:☆☆☆
  10. 鄙び度:☆☆☆☆☆
  11. 秘湯度:☆☆☆☆
  12. 異色度:☆☆☆☆☆
  13. 総合評価:☆☆☆☆