山形県

ぎんざんおんせん・おおゆ

銀山温泉・大湯

観光地のど真ん中にひっそりと佇む質素な共同湯
銀山温泉は名前からもわかるとおり江戸時代初期には銀の鉱山として開発されていた場所です。温泉としての利用も1640年頃というから江戸時代初期ですね。ずいぶんと長い歴史があるようです。また銀山温泉といえばNHKドラマの「おしん」の舞台。放送からずいぶん経っているので最近の人はそのことすら分からないと思うのに銀山温泉にはおしんグッズがいっぱいです。それにしても映画のセットかと思うぐらい素晴らしい情緒が漂う温泉街は必見です。とても小さな温泉街なのですが、ひしめくように軒を連ねる宿はどれもこれも大正ロマンを思わせる古風な造りです。そんなムード満点の雰囲気漂う銀山温泉のほぼ中央にある共同浴場が「大湯」です。外観があまりにも汚らしいというかボロくなっているのでついつい見過ごしてしまいそうです。私も目の前を通っていながらはじめ気づかずに通り過ぎてしまい、引き返してきたときに発見しました。それにしてもボロいです。扉なんか壊れていてどうみても廃墟にしか見えません。共同浴場とはいえ一般の人も料金を払えば利用できますが、見た感じは閉鎖しているように見えました。ここは番台や受付などはないので入口の料金箱に各自お金を入れるのですが、中に入って入浴可能なことを確認してから料金を払ったほど怪しい雰囲気でした。壊れた扉を開けて恐る恐る中に入ると狭くて暗い脱衣場があります。脱衣場といっても棚がちょこっとあるだけの簡素なものです。またその棚も汚れているので自分で用意したビニール袋に着替えを入れました。浴室への扉もノブが壊れていたので端をつかんで引いて入りました。中は思っていたよりも広く天井が高いです。広いとは言っても湯舟には6〜7名入れるぐらいでしょうか。それにしても壁はシミだらけで昼間でなければ不気味です。硫黄泉の香りプラス独特のオイルのような臭さが室内にこもっていました。浴室内はタイル張りになっていて湯舟には少し白濁した湯が溢れています。よく見ると湯の華が沢山舞っていました。湯の注ぎ口からは60度の熱い湯が注がれています。それと同時に水道からは水が注がれていたので湯加減はちょうどよい感じになっていました。それにしても銀山温泉といったら観光の名所。その中央にあり外では人通りがかなり激しいのにそんなに入る人も多くなく穴場的存在かもしれません。
掲載: 2002/07/15
Data
  1. 所在地:山形県尾花沢市銀山新畑
  2. 入浴 :2001年8月
  3. 泉質 :含硫黄・ナトリウム−塩化物・硫酸塩温泉
    (旧泉質名 含芒硝-食塩-硫化水素泉)
  4. 泉温 :源泉59.1度
  5. PH :7.0
  6. 蒸発残留物:2120mg/kg
  7. 形態 :共同浴場 男女別
  8. 効能 :きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童など
  9. 露天風呂:なし
  10. 開放度:
  11. 清潔度:☆
  12. 気軽度:☆☆
  13. 穴場度:☆☆☆
  14. 鄙び度:☆☆☆☆☆
  15. 秘湯度:☆☆☆
  16. 異色度:☆☆☆
  17. レトロ度:☆
  18. 景色 :
  19. 総合評価:☆☆☆