鳥取県
とうごうおんせん・ことぶきゆ
東郷温泉・寿湯
地元の人しか知らない隠れた共同湯
東郷池のほとり、松崎駅の目の前に広がる賑やかな温泉地が東郷温泉です。東郷湖の湖底からは昔から温泉が湧き出しているのですが、それを利用しようと明治５年にボーリングをはじめたのがきっかけで、現在は鳥取県を代表する温泉地にまで発展しています。そんな東郷温泉の住宅街、駅からは徒歩で数分といったところに特に案内板などもなく目立たなく存在しているのが公衆浴場の寿湯です。非常にわかりづらいところにあるのでほとんど地元の方々ぐらいしか利用はないようです。それにしても外観からしてもうすでに温泉浴場とは思えないローカルムード満点の小屋です。知らなければそのまま通り過ぎてしまうほどの佇まいです。扉を開けるとすぐに番台がありますが、その場に番人がいない事も多いそうで、用があるときには備付のブザーで呼びます。脱衣場は年季の入った木製ロッカーが並んでいますが、カギは壊れているみたいですので単なる脱衣棚として利用します。脱衣所内は入浴の心得や料金表などが掲げられています。常連客用に月極の料金も設定されていました。浴室は家庭の風呂場を少し広くしたような非常に小ぢんまりとしたタイル張りのものでとってもシンプルです。湯舟も小さく大人がに２〜３名でいっぱいのものでした。湯舟には湯と水の蛇口があり、湯がトロトロと注がれて掛け流されています。湯舟からは湯が常に溢れていて、人が入るとザザーッと豪快にこぼれ落ちるのは贅沢な気分になります。湯の蛇口は常に開けっ放しで口の周りには白い結晶のようなものがついていました。湯は無色透明で臭いや味は特に感じませんでしたが、とってもさらりとした湯です。湯舟はわりと深くて水位は股上ぐらいまであり、温度も少し熱めでした。すぐに汗が噴き出てきますが、さっぱりとした湯ということもあってかその感覚がとても気持ちいいものです。入浴していると常連らしい方が入ってこられました。こういう隠れた浴場なので知らない顔がいるのが珍しいのでしょう、「どちらからおいでで？」と話かけてきます。世間話をしているうちにどうやらその方の息子さんが私の家の比較的近所に住んでいるらしく、たわいもない会話に花が咲きました。こういうローカルな場所でのふれあいってのはなかなか楽しいものです。
掲載: 2003/08/02
Data
- 所在地:鳥取県東伯郡東郷温泉
- 入浴 :２００３年１月
- 泉質 :弱食塩放射能泉
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :リュウマチ・婦人病・神経痛・皮膚病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 下町度:☆☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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