新潟県
でゆおんせん・きょうどうよくじょう
出湯温泉・共同浴場
鄙びの中に情緒が漂う素朴な共同湯
出湯温泉は五頭連峰の麓にある温泉地で、その歴史は古く大同４年（809年）に弘法大師空海上人が錫杖を地に突いて温泉が湧き出したという伝説があるそうです。考古学的に見ると付近から縄文時代の土器等が発見されていることから、有史以前から原住民が利用していたのではないかということらしい。それぐらい歴史のある温泉でありながらも近代的な開発もなく素朴さが残る温泉地です。出湯温泉共同浴場は通りから少し入った奥まったところにあります。古びた建物の上に大きく「出湯温泉」と書かれているので通りからでも目を引くのですぐわかります。ずいぶんと古そうな素朴な建物で扉を開けると番台があって、土間を上がると男女それぞれの浴室の入口がありました。脱衣所は棚が並んでいるだけのシンプルというか質素なもので、浴後の涼み用の団扇（うちわ）が沢山置いてありました。ガラス窓の奥はすぐ浴室になっています。浴室は４〜５名ほど入れる湯舟が奥側にあり、手前側は洗い場のスペースです。洗い場と言っても蛇口がひとつあるだけで、石鹸なども用意してありません。みなさん湯舟から直接お湯を汲んで体を流していました。湯は無色透明でややぬる目（40.5度）でした。湯は奥の２本のパイプからトロトロと掛け流されているようです。それほど大きくはない湯舟なので体を沈めるとザバーッと湯が大量に流れ落ちるのはとても気持ちがいいものです。湯はとてもやわらかい感触で、温度も適温だったので非常に心地よいです。思わず目を細めてお湯の音だけを耳にしていると、とても落ち着いた気持ちになりました。雰囲気的には地元色が濃そうな感じですが、五頭山の登山口にもなっているのでハイキング客の姿もけっこう見られました。のんびりとした雰囲気で楽しめるいいところです。
掲載: 2004/01/12
Data
- 所在地:新潟県北蒲原郡笹神村出湯
- 入浴 :２００３年８月
- 泉質 :単純温泉(低張緩和性鉱泉）
- 泉温 :源泉39度 湯舟40.5度
- 形態 :共同浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、アトピー性皮膚炎など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 下町度:☆☆☆
- 穴場度:☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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