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大阪府

いぬなきやまおんせん・やまのゆ

犬鳴山温泉・山乃湯

強力なヌルヌル感の味わえるコダワリ温泉
犬鳴山温泉は大阪府と和歌山県の県境近くにある府道62号線沿いの渓谷美の美しい緑豊かなところです。関西国際空港からも近くまた大阪の市街地からもそれほど離れていないのに、とてもここが大阪府内だとは思えないような深い深い山の中という印象がありました。犬鳴山温泉は戦後に開発された歴史の新しい温泉地ですが、奥座敷といった感じがあり老舗の温泉地と言っても過言ではないような雰囲気がありました。犬鳴山の名前の由来には悲しい伝説があります。天徳年間(957〜961)のこと、猟師が獲物を狙って山奥に入っていくと見事な大鹿に出会ったそうな。猟師が大鹿を狙っていると、陰から大蛇が猟師を狙っていることに同伴した猟犬が気づき激しく吠えた。獲物を逃がしてしまったと激怒した猟師が犬の首を跳ねると、跳ねた首が大蛇に噛み付き猟師を救った。救われたことに気づいた猟師は悔いて修験僧になり、この噂を聞いた帝が犬鳴山と名づけたそうな。犬鳴山温泉は渓谷沿いの細い山道の途中にホテルや温泉施設などがありますが、そのひとつがこの「山乃湯」です。決して大きくもなく小ぢんまりとしていて、気を抜いていると見落としてしまうような素朴な施設です。鉄筋の建物ですがこのローカルな佇まいも、大阪府内にいるとはとても思えないような雰囲気を醸し出していました。建物は3階建てのようですが、斜面にあるので地上2階の地下一階という感じでしょうか。2階に休憩所があり、地下の階段を下りたところに浴室がありました。ちょっと寂れた雰囲気のある建物で、少し寒々しい雰囲気がありましたが、浴室の前にはキツネやワシの剥製なども飾られていました。また貴重品のロッカーもあります。脱衣所は棚が並ぶだけのとてもシンプルなものです。浴室はタイル張りでやや小ぶりですが、手前側が洗い場になっていて、大きなガラス窓側に湯舟があります。湯舟は手前側の縁が丸太になっていてチョロチョロと湯が溢れていました。湯はやや黄緑色をしていて底には茶色っぽい湯の華が沢山漂っています。受付のおばさん曰く「これは湯の華でゴミじゃないのよ。毎日ちゃんと掃除してもこれだけ溜まるのよ」とのことです。濾過していない自然のままということですから、これが一番いいんですよね。この日は一番風呂だったので一晩かけて溜まった湯の華を楽しめました。また、ここの湯は肌に触れると強力なツルツルヌルヌル感が味わえます。ロケーションといい泉質といい、一般ウケするかは別として、かなりファンは多いことでしょう。湯は加熱しながら使用しているようで底からは冷たい源泉らしき水と脇からは熱い湯が注がれていました。湯舟の脇のガラス窓越しには眼下に川が見えます。崖の上に位置することもあってか谷底の渓流や渓谷が一望できてこれがまた見事です。湯舟に浸かりながらボーッと眺めるのもいいですね。浴後は上の休憩所で休むことができますが、そこで注文できる釜飯は名物にもなっているようです。愛想のよいおばさんの対応がとても良くて非常に心温まる感じがしました。
掲載: 2005/01/29
Data
  1. 所在地:大阪府泉佐野市大木
  2. 源泉名:犬鳴1号
  3. 入浴 :2003年12月
  4. 泉質 :ナトリウム−炭酸水素塩泉
  5. 泉温 :源泉16度
  6. 形態 :日帰り温泉施設 男女別
  7. 露天風呂:なし
  8. 開放度:☆
  9. 清潔度:☆☆
  10. 気軽度:☆
  11. 穴場度:☆☆
  12. 鄙び度:☆☆☆
  13. 秘湯度:☆☆
  14. 素朴度:☆☆☆☆☆
  15. 景色 :☆☆☆☆
  16. 総合評価:☆☆☆