千葉県
やさしがうらおんせん・やさしがうらおんせんかん
矢指ヶ浦温泉・矢指ヶ浦温泉館
千葉県の温泉認定第１号を受けた素朴な温泉宿
九十九里浜は千葉県の東部にある、南北に66キロも続く巨大な砂浜海岸です。その北部、旭市の矢指ヶ浦海水浴場近くにある温泉旅館が、矢指ヶ浦温泉館です。ここは昭和26年(1951年)に旅館として開業し、翌年に千葉県で最初の温泉として認可された「千葉県第１号温泉」なのだそうです。海水浴場からは少し内陸部に入った住宅街にある素朴な旅館で、一見したところ普通の民家のような建物です。路地の奥にあるため見落としがちですが、通りには看板もあるので注意していればすぐにわかります。ここは旅館ということですが、日帰りの入浴も受け付けているため、常連の方々の憩いの場にもなっているようです。玄関を入ると愛想のよい女将さんが出迎えてくれました。入口右手の部屋が休憩室になっていて、常連らしき人が入浴後のお茶を楽しんでいます。さっそく浴室に向かいますが浴室の入口には赤い暖簾が垂れ下がっています。一見すると女湯の入口で他に男湯の入口があるのかとキョロキョロしてしまいましたが、赤い暖簾をくぐると左右に扉があって右手が女湯、左手が男湯の入口になっていました。脱衣所は棚があるだけの非常にシンプルで小ぢんまりしたところです。貴重品用のロッカーは用意していないようなので、大事なものは持ち込まないようにするか宿に預けておきましょう。浴室は手前側両サイドに洗い場、そして奥に湯舟があります。全体的にタイル張りのシンプルなタイプです。民家の浴室を少し大きくしたような雰囲気なのでそれほど広くはないけれど、ガラス窓が大きいので採光豊かでとても明るい雰囲気がありました。ガラス窓は透明ですが、下側には目隠し目的なのかブルーのフィルムが貼ってありました。湯舟に浸かると景色などは見えませんが、どっちにしろ海岸からは離れているので問題はありませんね。湯舟には大人が5〜6名も入ればいっぱいといった感じです。洗い場には石鹸やシャンプー、コンディショナーも用意されています。湯舟の湯は微妙に黄色がかっていましたが、ほとんど透明です。湯舟の湯は溜め湯のようで、脇の蛇口以外に湯口も見当たらず湯舟からも溢れ出ていません。湯舟の中には加熱用のボイラーへと続く口があり、追い焚きして加熱しているようです。湯舟に浸かって入口の方をふと見るとちょうどその真上に温泉分析表が掲げてありました。脱衣所には温泉の文字も何もなかったのでちょっと不安でしたが、こんなところに掲げてありました。分析表によるとメタン臭とあり、飲泉の効能も書かれています。壁側には飲泉の為に用意されているのかコップがあります。するとこの蛇口が源泉なのでしょうかね。さっそく蛇口をひねってみるとぬるい水が出てきて微妙に鼻にツンとくるガス臭さがありました。少し飲んでみるとかすかに塩味が感じられます。わりと大人しい湯にも感じますが、神経痛、リューマチ、切り傷に効果があるそうです。湯上り後は休憩所で食事もできるようです。メニューもけっこう豊富でした。ここではそうやってのんびり、たっぷりと温泉を楽しむことができるようです。
掲載: 2005/03/27
Data
- 所在地:千葉県旭市足川
- 源泉名:矢指ヶ浦鉱泉
- 入浴 :２００４年３月
- 泉質 :含ヨウ素食塩泉
- 泉温 :源泉21.7度
- 湧出量:毎分42リットル
- ＰＨ :７．７
- 蒸発残留物:12150mg/kg
- ラドン含有量:1.96(10-10キュリー単位)
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :(浴用)慢性関節リウマチ、慢性筋肉リウマチ、神経炎、創傷など
(飲用)慢性胃カタル、胃腸アトニー弛緩性便秘、貧血症など - 露天風呂:なし
- 開放度:
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 下町度:☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索