栃木県
ばとうおんせん・もとゆあずまや
馬頭温泉・元湯東屋
那珂川の緩やかな流れを楽しむ露天風呂
馬頭温泉郷のひとつ、那珂川沿いに建つ老舗の温泉旅館が「元湯東屋」です。温泉郷とはいっても歓楽街のようなものもなく温泉宿は点在しているので、わりと静かな穴場的な存在の温泉郷です。元湯東屋は鉄筋コンクリートの比較的大きめな旅館で、大人の雰囲気漂う高級感がありました。浴室は気品ある廊下を進んだ先、那珂川に面したところにあります。浴室の前まで来ると扉が自動的に開きました。浴室入口が自動ドアとは恐縮してしまいますね。浴室は内湯と露天風呂があります。内湯は天井、壁、そして湯舟もすべて檜でしょうか、木目の鮮やかな柔らかな雰囲気があります。木の板は手入れとか大変だよなぁなどと思わず余計な気を遣ってしまいましたが、やっぱりこの木の香りが漂う浴場っていうのは、気分が落ち着いてとてもいいものですよね。洗い場にはボディソープとリンスインシャンプーが用意されています。床は石タイルになっていて、そんなに広くはないけれど、シンプルながらも清楚な感じがありました。湯舟の湯は無色透明、溢れる気配がないので加熱循環式のようですが、サラサラしていてすごく気持ちいい湯です。アルカリ性の湯ということで肌に触れるとツルツルするのがまたとても気持ちいいです。この湯のツルツル感と湯舟の木の温もりとがうまく調和しているので、ついついうっとりとしてしまいます。でも、内湯は湯舟の木がとても滑りやすくなっているので、足元にはくれぐれも注意しましょう。露天風呂は岩風呂で内湯よりもやや塩素臭が気になるけど、湯の感触は変わらずとても気持ちいい湯です。そして何よりも素晴らしいのが目の前に広がるパノラマな景色です。那珂川を見下ろすように建っているので、目の前の川の流れや河原、遠くまで広がる田園風景を一望できるのです。那珂川は河川敷が広く、ゆっくりと流れているのでとても雄大でありながらものんびりとした景色になっていました。露天には竹で出来た東屋風の屋根があるので多少雨天でも大丈夫です。それにしてもこの開放感はホントたまらないです。目の前の川の中州には何やらミニ鉄塔みたいなものがポツンと建っています。これは何とこの温泉の源泉なのだそうです。本当に川の真ん中から湧いているんですね。実はこの源泉の歴史は古く、万延元年（1860年）の冬の日に河原の一部分だけ雪が積もっていないのに気づいたことから発見されたのだそうです。実に150年近く前から利用されているのですね。のんびりとした風景を楽しみながら、のんびりとお湯に浸かる。そんないつまでものんびりとしたくなる宿でした。
掲載: 2005/04/02
Data
- 所在地:栃木県那須郡馬頭町小口
- 源泉名:那珂川温泉開発源泉
- 入浴 :２００４年３月
- 泉質 :単純温泉(アルカリ性低張性低温泉)
- 泉温 :源泉28.9度
- 湧出量:毎分21.7リットル 自然湧出
- ＰＨ :９．３
- 蒸発残留物:0.2550g/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :外傷性・諸障害・慢性筋肉関節リウマチス・慢性湿疹など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 優雅度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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