東京都

あさひおんせん

朝日温泉

下町情緒が香るノスタルジックな温泉銭湯
大田区にある朝日温泉は、東急糀谷駅から徒歩で2〜3分ほどの商店街の一角にある、昔ながらの温泉銭湯です。商店街の通りからは少し奥まったところにあり、気づかないで通り過ぎてしまいがちなところでした。通りの角にはコインランドリーがあり、その路地をのぞくと奥に銭湯の暖簾が揺れていました。入口は左右に鍵札のついた下足箱があり、それぞれ男湯と女湯の入口になっています。中に入るとすぐに番台です。時代の流れか最近はめっきりと番台形式の銭湯は見なくなりましたが、やっぱりこの形が銭湯って実感が湧いて一番落ち着きますよね。脱衣場は木造ロッカーが並びマッサージチェアや体重計などがありましたが、扇風機はなくテーブルに団扇(うちわ)が用意されていました。壁には温泉分析表が掲げられているところが、普通の銭湯とは違うところですね。ガラス扉の奥が浴室になっています。手前側は洗い場が並び、奥に湯舟がある典型的な東京式の銭湯です。都内の銭湯にしてはわりと高い天井で、バタフライ屋根のように中央が低くなっている天井でした。洗い場は水と湯のカランと固定式のシャワーがついています。湯舟は大小2つに区切られていて、小さい方は朝日温泉で大きい方は無色透明のさら湯になっていました。湯舟の奥の壁は20センチ四方の大きめのタイルでモザイク画が描かれていましたが、絵なのか単なる模様なのかはいまいちわかりません。カラン側の壁にはアヒルのような鳥の絵が描かれていました。朝日温泉は薄いくすんだ黄色というか黄銅色っぽい透明度のある湯です。湯舟ではちょっとすえたような嫌な臭いにも感じましたが、脇の蛇口をひねって出てきた湯は、薬草のような臭いにも感じます。飲んでみると微妙な塩味を感じました。東京の銭湯にしてはわりとぬる目の湯であることと、水枕が設置されているので長湯もできそうです。大きい湯舟の方はさらに半分に区切られて、片側はヘソ下ぐらいまである深めの湯舟の超音波座風呂になっています。もう一方は壁に埋め込まれた檻状の湯口にガリウム石が並べられ、下部から赤い光で照らされているガリウム石温浴泉になっていました。ガリウム石温浴泉とは、天然鉱石を利用してラジウム温泉のような効能が期待できるものらしいです。ラジウムなので見た目も浴感も特徴ないから何とも言えませんが、怪しげな赤い光が演出効果を盛り上げていました。超音波座風呂の方は温泉に比べて熱めの湯ですが、こちらにも水枕があったので、気持ちよく利用することができました。湯上り後は火照った体を冷ましつつ脱衣場のベンチで休憩していましたが、特に飾ることもなく街角の銭湯の風景を今に残した雰囲気がとても素朴で懐かしかったです。こういった雰囲気の銭湯がいつまでも無くならないでいて欲しいと思います。
掲載: 2005/10/02
Data
  1. 所在地:東京都大田区西糀谷
  2. 入浴 :2005年9月
  3. 泉質 :ナトリウム・カルシウム・マグネシウム−塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉
  4. 形態 :温泉銭湯 男女別
  5. 効能 :(浴用)神経痛・健康増進・虚弱児童・慢性婦人病など
    (飲用)慢性消化器病・慢性便秘など
  6. 露天風呂:なし
  7. 開放度:☆
  8. 清潔度:☆☆☆
  9. 気軽度:☆☆☆
  10. 下町度:☆☆☆☆☆
  11. 穴場度:☆
  12. 鄙び度:☆☆
  13. 素朴度:☆☆☆☆
  14. レトロ度:☆☆☆
  15. 景色 :
  16. 総合評価:☆☆☆