宮崎県
ひのかげおんせん・ひのかげおんせんえき
日之影温泉・日之影温泉駅
駅舎の２階は温泉パラダイス
日之影町は、宮崎県の北部の緑豊かな山の中にある静かな町です。五ヶ瀬川に沿って走る高千穂鉄道は、延岡から高千穂までを結び、深い渓谷を渡る鉄橋など見所満載のローカル線です。日之影町にある日之影温泉駅は、駅の改札の二階が温泉施設になっているというとても珍しい温泉施設です。駅は谷間にあり、周囲は深い山、集落も小さく自然豊かでとてものんびりとしたムードの場所にあります。駅舎は五ヶ瀬川沿いに建ち、ローカルな駅ながらもわりと大きなものです。１階は改札口とその脇に土産物などが並ぶ売店や食堂もありました。受付がその奥の方にあります。階段を登ると右手に女湯、左奥に男湯があり、その間に畳の広い休憩所がありました。休憩所はカラオケ機材も用意され、地元の常連客でしょうか、既に歌声に酔いしれていました。脱衣所は鍵付きのスチールロッカーが並び、奥に洗面台と浴室入口があります。いたってシンプルな雰囲気ですが、一角には冷水のサービスもありました。浴室は石タイルの床で中央に円形のジャグジー風呂、左奥は洗い場、正面奥は主浴槽、そして右奥にはサウナと水風呂がありました。駅舎にある浴場ということで、家庭の風呂に毛の生えた程度のものを想像しがちですが、思った以上にゆったりとした空間となっていました。洗い場にはボディソープと固形石鹸が用意され、10基ほど並んでいました。ジャグジーバスは７〜８名ほど入れる大きさで、主浴槽はもう少し広めのものです。主浴槽にも気泡浴の装置がありましたが、動いてはいませんでした。湯は無色透明でさっぱりとしたタイプです。消毒臭が少々ありましたが、それ以外は特に目立った特長はありませんでした。サウナは小ぢんまりとしているけどテレビも付いている本格的なものです。外には小さいながらも露天風呂もありました。御影石の浴槽に、ゴロタ石で縁取られた岩風呂です。２〜３名ほどでいっぱいのホント小ぢんまりとしたタイプです。露天は線路際にあり、駅のホームが目の前にあり、まさに駅舎にある温泉です。またホームのその背後には清流がゆっくりと流れ、周囲は深い谷間の景色が広がっています。のんびりとした、そしてとても清々しい爽やかな雰囲気がありました。列車がホームに入って来たら露天風呂とのツーショットを撮ろうと、ひたすら待ちますが、ちっとも来る気配がありません。いったいいつになったら電車はやってくるのかと思って線路を眺めていたら、線路のレールは赤茶け、草も生えているなど、ずいぶんと使われた形跡がありません。知らぬ間に廃線になってしまったのかとよくよく調べたら、平成17年(2005)に台風14号による氾濫で被害にあってしまったとのこと。その後、半分は復旧を諦めて廃線となり、半分は運休としているとのことでした。列車近づく30分前に浴場入口に予告灯がつくなど、駅舎ならではのユニークな設備もあり、とてもいいロケーションにあるので、活性化のためにも早い復旧を願いたいものです。
掲載: 2007/10/21
Data
- 所在地:宮崎県日之影町大字七折
- 源泉名:日之影町新温泉
- 入浴 :２００６年１月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉
- 泉温 :源泉38度
- 湧出量:毎分113.5リットル
- ＰＨ :８．６
- 形態 :駅舎の浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、疲労回復など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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