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福島県

いいざかおんせん・さばこゆ

飯坂温泉・鯖湖湯

歴史のぬくもりと地元の方とのふれあいを感じる
飯坂温泉は福島市の中心地から北に10キロほどのところにある東北を代表する温泉街のひとつです。はるか昔、日本武尊が東北征伐の折に発見したとの言い伝えがあり、古くから湯治場としても賑わいを見せている温泉街です。温泉街にはいくつかの素朴な共同浴場が点在し、地元の人々だけでなく観光客も訪れて、ふれあいの場として人気があります。中でも観光の目玉となっているのがこの鯖湖湯です。鯖湖湯は、元禄二年(1689)に松尾芭蕉が「奥の細道」の途中で立ち寄ったことでも知られる古くからの名湯で、ヒバ造りの木目の鮮やかな外観が印象的な共同湯です。明治22年に建てられたという木造の浴舎は、長年飯坂温泉のシンボルとして親しまれていたそうですが、老朽化のため平成5年に改築されてリニューアルしています。リニューアルしたとはいえ、ヒバ造りの独特の外観は健在で、みちのくの湯治場を偲ばせる渋い造りになっています。飯坂温泉の共同浴場はすべて入浴券を利用して入浴します。入浴券は近くの商店などで予め購入しておく必要があり、それぞれの共同浴場は共通の券を利用するのですが、この鯖湖湯だけは独自の入浴券になっているので注意が必要です。鯖湖湯は入口を入ったところの番台の脇に自動券売機があるので、そこで券を購入することができます。脱衣所は簡易的な棚が並び、そのすぐ傍らには湯舟があります。浴室と脱衣所は壁などで仕切ることなく、同じ空間にあるのです。観光客も意識しながらも、造りはシンプルというかとても素朴で、まさに普通の地元の共同湯の雰囲気そのものです。脱衣棚は一部に扉と鍵が付いているものもありますが、数は少ないです。浴場は御影石の床と湯舟で、壁や天井は木造です。浴室の中央に湯舟があり、その周囲に洗い場のスペースはありますが、カランなどは一切ありません。右手前と左奥の角に上がり湯があるだけで、体を洗う際には湯舟から直接桶で湯を汲んで利用するようです。無色透明の湯は滔々(とうとう)と注がれていますが、これがまたとんでもなく熱いです。源泉は50度以上あるそうで、湯舟の湯もそうとう熱くなっていました。そんなわけで、掛け湯をするもはじめのうちは熱くて入れたものではありませんが、慣れてくると不思議と湯舟に浸かることもできます。最近は熱い湯に慣れない観光客のために、地元の方が加水してぬるくしてくれるようですが、どうせなら地元の方々が入る温度を体験したいものです。ジーンとしびれるような熱さですが、湯がとても滑らかなのでさっぱりとした湯触りを味わえます。
掲載: 2008/12/14
Data
  1. 所在地:福島県福島市飯坂町
  2. 入浴 :2007年9月
  3. 泉質 :アルカリ性単純温泉
  4. 泉温 :源泉51.0度
  5. 形態 :公衆浴場 男女別
  6. 効能 :神経痛、筋肉痛、冷え性、疲労回復、健康増進など
  7. 露天風呂:なし
  8. 脱衣所:あり
  9. 開放度:☆
  10. 清潔度:☆☆☆
  11. 気軽度:☆☆☆☆
  12. 地元度:☆☆☆
  13. 異色度:☆☆☆
  14. 人気度:☆☆☆☆☆
  15. レトロ度:☆☆☆☆
  16. 景色 :☆
  17. 総合評価:☆☆☆☆