山形県
くろさわおんせん・みかどりょかん
黒沢温泉・みかど旅館
浸かるほどにうっとりと、ビーナスが見守る美肌の温泉
黒沢温泉は山形と上山の間ほどにある、静かな温泉地です。昭和47年(1972)9月に掘削されたという、歴史のない新興温泉地です。あまり歓楽街的な要素はないものの、いくつかの温泉旅館が建ち並び、閑静な温泉街を形成しています。蔵王の観光拠点とてもり利用できるし、初夏にはさくらんぼの名産地としても知られているところです。みかど旅館は中規模ほどの温泉旅館で、鉄筋の大きな建物と木造の建物が繋がっていました。玄関は木造部分にあり、浴場は鉄筋の方の２階にあります。増改築を繰り返して造られたような印象で、渡り廊下や階段などは歩くたびにミシミシと軋む音がします。嫌な気分になるどころか、田舎旅館に来たようなノスタルジックな気分になり、むしろ情緒を感じますね。脱衣所は棚にカゴが並ぶシンプルなスタイルです。それなりに広々としています。浴場は内湯のみですが、これまた広々としています。外壁側に洗い場が並び、内壁側に大きな湯舟がありました。湯舟は大小２つに区分けされていて、手前側の小さい方は気泡浴となっていました。湯は無色透明で、非常に透き通った印象を受けます。木箱のような湯口からドバドバと湯が注がれていますが、湯舟からはまったく溢れ出る気配もなく、また湯舟の底に吸い込み口もあったことから、循環式のようです。湯舟の奥にはビーナス像も立っていて、その台座からも湯が注がれています。それなりに消毒臭もあり、源泉の特徴が消えてしまっているのかと思いましたが、意外にも湯の感触は非常に個性的です。まず、一瞬だけヌルッとして後味すっきりなので、非常に肌の感触が気持ちいいです。まるで薄い絹の布が肌を滑っているような印象を受けました。循環されていてもこれだけ気持ちのいい湯なので、小さくてもいいから源泉掛け流しの湯舟があったらもっと気持ちいいことでしょうね。とても個性的な温泉であることから、素朴な温泉街ながらも人気のあるところのようです。ルナワールドという遊園地も近くにあるので、レジャーと温泉を一挙に楽しむにもいいところでしょう。
掲載: 2009/06/07
Data
- 所在地:山形県山形市黒沢
- 入浴 :２００８年６月
- 泉質 :ナトリウム−硫酸塩温泉(旧泉質名：芒硝泉)
- 泉温 :源泉50.3度
- ＰＨ :７．６
- 蒸発残留物:4316mg/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :動脈硬化症、きりきず、やけど、慢性皮膚病、神経痛など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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