青森県
さんないおんせん・さんないへるすせんたー
三内温泉・三内ヘルスセンター
鄙びた雰囲気ながらも絶大な人気を誇る濃厚な温泉
東北道の青森インターを下りてすぐ目の前、国道からも大きな文字で書かれた看板が目立っているのが、日帰り入浴施設の「さんない温泉」です。地図で見たところ、本当にすぐ目の前にあるので、今どきの新しい日帰り温泉施設かと思っていたのですが、建物は大きいものの少し古びた佇まいのローカルな温泉センターでした。また、国道脇にあるものの、国道から入れるのではなく裏の路地から入っていかなければなりません。しっかりと場所を把握しておかないとアクセスも楽ではなさそうです。それにしても駐車場はとても広く、平日の昼間だというのに沢山のクルマが既に停まっています。青森県内でも有名で人気のある温泉施設だということを後から知ったのですが、その人気ぶりに驚きました。建物に入ると意外にもとても綺麗な自動券売機が並んでいます。入浴券を受付に渡して、履物を脱いで中に入ります。館内のすぐ左側に「大浴場」と書かれた扉があり、その奥にソファーの並んだ休憩室がありました。その先にある浴場は大きなゴシック体で「男湯」「女湯」と書かれているのが、昭和っぽい懐かしい情緒を感じさせます。脱衣所は簡易的な棚が並んだだけの質素なものです。一角には錆び付いたコインロッカーがありましたが、使えるのかとても怪しい感じです。試しに使ってみると、しっかりと機能しているようでした。さっそく浴場へと飛び込みますが、浴場に入るといきなりムッとした熱気が包み込んで、それと同時に硫黄の香りがツンと鼻をつきます。目の前には思わず息を呑んでしまうような凄い光景が広がっていました。浴場は非常に広々としているのですが、湯気で霞んでよく見えないほどです。外壁側には洗い場がズラッと並び、内壁側に大きな湯舟がありました。湯舟には少し青みがかって白濁した湯がなみなみとあり、それがそのまま大量に溢れ出て床一面に広がっています。湯舟の縁は薄い黄色をした湯の華がびっしりとこびりついていました。また、壁はコケで緑色に染まったところや黒く変色しているところなど、非常に古びた雰囲気があります。天井はとても高くて狭苦しさはまったくないのですが、浴室全体がとにかく鄙びています。サッと体を流してさっそく湯舟に浸かりますが、これがまたけっこう熱いです。温度を計ると44度ほどありました。透明度は5センチほどでけっこう濃厚な湯という感じです。濃厚だと感じるのは色だけでなく、ツルツルとしてしっとりとした湯も「濃いなぁ」という印象です。舐めてみると、しっかりとした塩辛さと微妙なほろ苦さを感じました。また、相当濃いのでしょう、5分も浸からないうちにクラクラするほどの気だるさを感じます。訪れている人はほとんど常連さんなんでしょうね、非常にリラックスしながら湯舟の縁でみんなトドになっていました。大量に溢れ出ているので、トドがとても気持ちいいです。浴後は汗がいつまでもひかないくらい温まり、冬場ならさぞかし気持ちいいことでしょう。また、自分でもクラクラとするほど、自分の体から硫黄の香りが漂います。すっかり沁み込んでしまったようです。非常に濃厚で良質の温泉が、身近にある人がとても羨ましく感じました。
掲載: 2010/03/22
Data
- 所在地:青森県青森市三内字沢部
- 入浴 :２００９年８月
- 泉質 :含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(硫化水素型)
- 泉温 :源泉46.0度
- 成分総計:14.68g/Kg
- 形態 :日帰り温泉 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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