静岡県
いさぶおんせん
伊佐布温泉
小さなバスタブに冷鉱泉が垂れ流し
清水区の山の中、第二東名高速道路の橋脚近くには、人知れず湧いているワイルドな温泉があります。かつてここには簡素な仮設の温泉施設があって、秘湯ムードたっぷりの露天風呂があったそうです。ところが、オーナーが土地を売却してしまい、温泉施設はそのまま撤去されてしまったそうです。その後、その温泉は幻となってしまったそうです。ところが、いつの間にやら小さなバスタブが用意され、冷鉱泉が掛け流しになっているとの噂を聞きつけたので、訪れてみることにしました。いや、訪れることにしたというよりも、偶然辿り着いてしまったという方が正しいでしょう。以前あった温泉施設のことも、今回のこの湯舟のことも、軽い噂でしか聞いたことがありませんでした。たまたま近くを通りかかった際に、何か感じるものがあって脇道へと入っていくとそこに湯舟があったのです。意外と人間の勘というのもバカにできないんだなぁと感じたのでした。もちろんたまたま通りかかるような場所ではありません。あるものといったら、高速道路の橋脚ぐらいです。まだこのときは高速も開通していなかったので、工事関係者のクルマなどが近くに並んでいたりしました。ところが空き地の真ん中に、ポツンと何かあるのです。怪しいと思って近づくと、小さなバスタブに、太いパイプからトボトボと水が注がれているのです。ところが、その水は硫化水素のような臭いがプンプンと漂い、黄色い湯の華らしきものも見えます。それが大量に掛け流されているのです。温度は低く冷たい水ですが、夏場なら水浴びにちょうどいいかもしれません。沸かして入ったら、立派な温泉です。ところが、以前あった温泉は39度ぐらいあった湯なのだそうですが、これはいったいどうしたことでしょう？以前とは違う源泉なのかもしれません。それにしてもただ湯舟だけがあって、入浴しようにも脱衣場はないし、季節がら冷たくて入れないし、そして何よりも管理人が不在だったので利用していいのかどうかも不明です。そのうち立派な温泉施設ができるのかもしれませんが、それが待ち遠しくなってしまうような個性的な鉱泉なのでした。どんな温泉施設ができあがるのか、期待しながら待ちましょう。
掲載: 2010/07/10
Data
- 所在地:静岡県静岡市清水区伊佐布
- 入浴 :２００９年１０月
- 形態 :バスタブ野湯 男女区別なし
- 脱衣所:なし
- 開放度:☆☆☆☆☆
- 清潔度:☆
- 気軽度:
- 穴場度:☆☆☆☆
- 野趣度:☆☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索