群馬県

のぐりさわおんせん・すりばちそう

野栗沢温泉・すりばち荘

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群馬県の南端にある上野村は総面積の９割以上が森林という自然豊かな山村です。四季を彩る森に囲まれ、ハイキングや登山、また沢遊びなどのアウトドア派の人におススメの地域です。そして何よりも気になるのは温泉の存在です。村内にはいくつかの温泉施設がありますが、その中でも秘湯ともいうべき秘境にあるのが野栗沢温泉すりばち荘です。アトピー性皮膚炎にとても効果があるとの噂が広がり、湯治目的に訪れる人も少なくないという霊験あらたかな薬湯なのだそうです。そのため「薬師の湯」とも呼ばれているようです。国道からそれて険しい崖の続く細い道を進んでいくと、ポツンと建っています。民宿ということで宿泊施設なのですが、日帰りでの入浴も受け付けているようです。観光ガイドをみると「不定休」となっているので、訪れる際には連絡しておくと無難かもしれません。今回は特に連絡はしなかったのですが、玄関前に「営業中」と大きく出ていたので、それを目印に訪れてもいいでしょう。平日の午後に訪れたのですが、玄関を入るとまるで人の気配がありません。「営業中」の看板があるので大丈夫だとは思うのですが、とりあえず中に入ってみます。するとロビー脇で浴衣の紐を一生懸命たたんでいる宿の人がいました。気配を感じなかったのでびっくりしてしまいましたが、向こうも驚いたかもしれませんね。浴場は廊下の突き当たりを出たところにあります。出たところというのは、一度宿の建物を抜けて、別の建物に入るからです。浴舎は右側が男湯で左側が女湯となっていました。脱衣所はシンプルながらも地味で落ち着いた雰囲気です。また木造のしっかりとした梁が高く延びて、山小屋のような雰囲気です。浴室に入ると、こちらは石タイルの床に両サイドが洗い場、そして正面に湯舟があります。脱衣所に続いてこちらも天井が高いので、小ぢんまりとした浴室ながらも狭苦しさはまったく感じません。浴場はどうやら内湯だけのようですが、湯舟は横が3メートルぐらいはあるでしょうか、それなりに大きなものです。また、すぐ脇には小さな木造の湯舟もあるのですが、こちらは水風呂のようです。今回は平日だったこともあり、誰も利用していなかったので湯舟には木製の蓋がかぶせてありました。湯が冷めないようにしているようです。沸かしながらの循環湯のようですが、けっこう熱めの湯でした。無色透明で、しっとりとした感触の湯です。しかもサラッとしていて、肌にスッと馴染むような感覚もありました。熱めの湯だったので、浸かったり出たりを繰り返してのんびりと過ごしました。窓の外には渓谷の谷間が見えますが、まさに山の中の風景です。トロトロと湯の流れる音と、カエルや山鳥の鳴く声だけが響いて、とても静かな空気にすっかり酔いしれてしまいました。帰り際に建物の隣にある薬師様にお参りしました。冷たい源泉の蛇口があったので、口に含んでみましたが、けっこう苦味と饐味のある独特の風味がありました。でも、それだけにとても効果がありそうな気もしてきます。今回印象がとてもよかったので、また立ち寄ってみようと思います。

掲載: 2010/12/05

Data

1. 所在地:群馬県多野郡上野村野栗沢
2. 源泉名:子宝の湯
3. 入浴　:２０１０年５月
4. 泉質 :ナトリウム−塩化物冷鉱泉
5. 泉温　:源泉21.9度
6. ＰＨ　:６．８
7. 蒸発残留物:5.97g/kg
8. 形態　:温泉宿　男女別
9. 効能　:きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
10. 露天風呂:なし
11. 開放度:☆
12. 清潔度:☆☆☆
13. 気軽度:☆
14. 穴場度:☆☆☆
15. 秘湯度:☆☆☆
16. 景色　:☆☆☆
17. 総合評価:☆☆☆