栃木県
ちゅうぜんじおんせん・にっこうさんすい
中禅寺温泉・日光山水
優雅に湖を眺める湖畔の宿
梅雨の明けた七月下旬、連日の猛暑で体はクタクタです。そんな体を癒そうと、避暑を兼ねてやってきたのは奥日光。いろは坂を上がるとそこは清々しい空気に包まれた中禅寺湖です。湖面はキラキラと輝き、また藍色をした静かな湖と緑の木々に覆われた山々が、神秘的な独特の雰囲気をつくっています。中禅寺湖周辺は本当に豊かな自然が残されていますが、華厳の滝側の一角だけは賑やかで、土産物屋や旅館、ホテルなどが建ち並んでいます。遊覧船乗り場のすぐ目の前、湖畔を望むように建つ日光山水は、湖を眺めながら温泉を楽しむことができる温泉宿です。今回は日帰りでの旅だったので、立ち寄りで入浴することにしました。宿は比較的小ぢんまりとした小規模の旅館です。小さいとはいえ、和風の落ち着いた雰囲気があり、どことなく割烹店のような印象を受けました。浴室は２階にあがったところにあります。浴室も小ぢんまりとしていますが、内湯いっぱいに広がる大きな湯舟があり、ゆったりとした雰囲気もありました。壁際には洗い場が並んでいますが、ちょっと気になるのがその色です。カランの金属部分がみんな真っ黒なのです。もともと黒かったというより、銀色の部分が変色して黒くなったような感じです。これは期待できる兆候ですね。でも湯舟の湯は無色透明で、目立った特徴はありません。湯舟は底がサラサラとした石タイルになっていて、縁の部分が赤い御影石、湯舟から湯は溢れる気配はありません。さっそく体を流して湯舟に浸かりますが、特に気になるような感覚もなく、癖のない湯でした。窓越しには外に露天風呂が見えました。露天はとても小さな雰囲気です。外に出てみると内湯よりも小さめの湯舟がありますが、何とこちらは青白いような乳白色をした濁り湯です。透明度は40〜50センチほどですが、日によって透明度は変わるようです。天然温泉は露天風呂だけのようですね。硫黄泉独特の硫化水素臭がプンプンと匂い、けっこう濃厚な印象を受けます。チョロチョロと注がれていますが、そんなに投入量は多くはありません。少し熱めでしたが、気持ちのいいさっぱりとした熱さでした。湯に浸かると、肌がキュッと締まりながらも、温泉がジワジワとしみこんでいくような気がします。湯舟の底には湯の華が沢山沈殿しているようで、フワフワと足元から繊維状のものが舞い上がってきました。とても個性的な湯に惚れ惚れしながら浸かっていましたが、この風呂は湯だけではありません。やはりその立地を活かした景色がいいです。露天風呂は中禅寺湖側にあるのですが、スリッド状の手すり腰に中禅寺湖を眺めることができます。通り沿いでもあるので、開放感抜群とまではいきませんが、なんとも幸せな気分で温泉を楽しむことができました。中禅寺湖周辺の観光や戦場ヶ原などの奥日光散策の拠点としても便利な宿ではないでしょうか。
掲載: 2011/01/29
Data
- 所在地:栃木県日光市中宮祠
- 源泉名:奥日光開発(株)源泉No.1、2、3、4、7 森林管理署源泉混合泉
- 入浴 :２０１０年７月
- 泉質 :含硫黄−カルシウム・ナトリウム−硫酸塩・炭酸水素塩温泉
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、やけど、糖尿病など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索