山形県
いもがわおんせん・こうれいしゃせいさんかつどうせんたー
五百川温泉・高齢者生産活動センター
田畑の広がる田舎景色と、包み込むような優しい湯を味わう
最上川の支流、朝日川沿いの田園地帯にさりげなくある素朴な温泉施設が「いもがわ温泉」です。「五百川」と書いて「いもがわ」と読むんですね。ここは「高齢者生産活動センター」という名称になっているので、老人の方を対象とした福祉センターのようですが、利用に制限があるわけでもなく一般の方も入浴が可能な施設となっています。さっそく訪れてみたのですが、意外にも古びたというか鄙びた感じの鉄筋コンクリート製の建物で、高齢者施設にも温泉施設にも見えない、何ともいえない佇まいがありました。建物にはローマ字で「Imogawa」と書かれていて、しかも微妙に色褪せてきているところが、なんともB級感を漂わせていました。こうなると逆にとても期待しちゃうものです。さっそく館内に入ると、すぐに受付がありそこで入浴料を払います。これもまたびっくりするくらい安いのが、嬉しいです。浴室は右奥の方にありました。廊下を歩いていくと、休憩室のような畳の部屋がいくつかあるのですが、間取りが広く、また大きな黒板があったりして、まるで学校の教室のような雰囲気がありました。そして奥にある浴場入口ですが、これもまたまるでトイレの入口のような質素な入口です。思わず「浴場」という文字を確認したくなるほどでした。浴室は内湯のみの小ぢんまりとしたものです。タイル張りの浴室ですが、黒御影石の湯舟がドッシリと構えていて、安っぽい感じはまるでありません。湯舟は４〜５名ほどでいっぱいの小さなものですが、窓ガラスが大きくて明るいので、そんなに狭苦しさは感じませんでした。また、その窓ガラスからの外の景色もまた、なかなかいい感じのものです。けっして絶景ではありませんが、田畑が広がる奥に川が流れていて、なんとも田舎らしいローカルな景色が魅力的です。さて、湯舟の方は無色透明のあまり癖のない湯です。しかしながら掛け流しなのでしょう。湯舟に浸かるとドバーッと大量に湯が溢れて流れていきます。臭いも味覚もほとんど感じないような湯ですが、非常にキメ細かいというか、優しく包み込むような柔らかな感触の湯なのです。肌はキュッキュッとするような湯であるものの、ついつい長湯したくなるような個人的に好きなタイプの湯でした。素朴感はばっちりで、けっして観光客が来るようなところではありませんが、のんびりとした田舎の時間を味わえる、いい湯だと感じました。
掲載: 2011/02/13
Data
- 所在地:山形県西村山郡朝日町太郎
- 入浴 :２０１０年８月
- 泉質 :単純冷鉱泉(総硫黄型)(低張性アルカリ性怜鉱泉)
- 泉温 :源泉18.0度
- ＰＨ :８．３
- 蒸発残留物:154.2mg/kg
- 形態 :温泉福祉施設 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 地元度:☆☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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