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広島県

のうみおんせん・のうみかいじょうろっじ

能美温泉・能美海上ロッジ

満潮時にはまるで海中に建っているような、ユニークな公共の宿
広島湾にぽっかり浮かぶ西能美島は広島港から高速艇だと30分弱で辿り着ける自然豊かな大きな島です。呉からは倉橋島経由で音戸大橋、早瀬大橋を渡ってクルマでも来られます。地図を見ると能美島はひとつの島なのに「西能美島」「東能美島」「江田島」と三つの名前が付いているのに気が付きます。西能美島と東能美島は単に地理的につけられた名前のようですが、江田島はもともとは離れていた島なのだそうです。埋め立てにより陸続きにして現在の大きなひとつの島になったようです。そんな島の中心付近、江田島市役所からも近い、江田島湾沿いに国民宿舎の能美海上ロッジがあります。ここは何と言ってもその名の通り「海の上に浮かぶ」海上施設ということで、とても珍しい宿泊施設なのだそうです。でも地図で見る限り、岬の先っぽには位置するものの、海の上にあるようには見えません。そして実際に訪れてみても、地図で見たとおり海の上にあるわけでもないように見えます。何なのだろうと不思議に思いながらも、もうひとつの魅力、源泉掛け流しの天然温泉を味わいに立ち寄りで利用することにしました。館内に入ると、浴場は右側廊下の先にありました。意外と小ぢんまりとした雰囲気で、そんなに大きな浴場ではないようです。脱衣所もシンプルというか地味というか、簡易的な棚があるだけの狭い脱衣場です。シンプルと言えばそれまでですが、少し年季も入ってきているような気もします。浴場に入ると手前側に洗い場、窓際に湯舟があり、そんなに広くはないものの窓が明るくとてもゆったりとした雰囲気がありました。窓の外には穏やかな海と、広いビーチが見えます。ビーチでは海水浴を楽しむ人たちがよく見えました。とっても静かで落ち着いた雰囲気があります。ここでようやく「海上」を意識することができました。確かに陸側に玄関があるものの、建物は杭の上に建つようにして海の上にあったのです。打ち寄せる波を目の前にしながら海を眺めることができるのです。おそらくこちら側からよりも、ビーチからこの建物を見れば海の上にあるのがよくわかることでしょう。凄いなぁと感心しつつも、もっと目をみはるのが掛け流しの温泉です。土色というか薄い褐色というか、どろっと濁った湯が湯舟から溢れ出ていて、大量に床に流れているのです。舐めてみるとけっこう塩辛い湯で、惜しげもなく掛け流されている様はとても見事です。広島県は比較的温泉資源の乏しいロケーションにあるので、こんな特色の有る湯が掛け流しで利用されているのはとても驚きです。地味な施設ながらも感動を覚えるいい施設でした。塩分を含む温泉ということで、とにかく温まりのいい湯です。夏場だったこともありますが、汗だくになるほど体の内側から熱くなってきます。いい温泉なんですね。ちなみに併設する温泉館「シーサイド温泉のうみ」は濾過循環式になっているので、向こうは無色透明です。施設としてはそちらの方が一般ウケしそうですが、温泉はこちらの方が贅沢に利用できます。宿泊すると両方楽しめるようなので、レジャーや観光の拠点として重宝しそうな宿だと感じました。
掲載: 2014/10/04
Data
  1. 所在地:広島県江田島市能美町中町
  2. 入浴 :2013年7月
  3. 泉質 :ナトリウム・カルシウム−塩化物強塩温泉
  4. 泉温 :源泉34.3度
  5. 湧出量:毎分240リットル
  6. PH :7.3
  7. 蒸発残留物:28.36g/kg
  8. ラドン含有量:6.7×10-10キュリー/kg(1.8マッヘ単位/kg)
  9. 形態 :観光ホテル 男女別
  10. 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、慢性消化器病、痔疾など
  11. 露天風呂:なし
  12. 開放度:☆☆
  13. 清潔度:☆☆☆
  14. 気軽度:☆☆
  15. 穴場度:☆☆☆
  16. 異色度:☆☆☆
  17. 景色 :☆☆☆
  18. 総合評価:☆☆☆☆