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岩手県

ゆもとおんせん・うしのゆ

湯本温泉・丑の湯

歴史に名を刻む、サラサラとした優しい湯
岩手県西和賀町にある湯田の湯本温泉は、田舎町の小さな温泉地です。温泉地としての歴史は古く、開湯は万治元年(1658年)と言われているようです。明治時代の俳人正岡子規も逗留して温泉を楽しんだこともあるそうです。開湯から百年ほど経過した寛延10年(1760年)に、共同湯の丑の湯ができたと言われていて、現在でも町営の公衆浴場として丑の湯があります。静かな温泉街の中ほどにあり、プール施設などのある少し奥まったところにポツンとありました。鉄筋の小ぢんまりとした建物で、これといって目立たなくパッとしない雰囲気ですが、だからこそ素朴さが味わえるローカルなムードです。町民以外の方も利用ができるようなので、さっそく訪れてみました。館内に入るとすぐに受付があり、正面に男女別に浴場の入口があります。右側には小さいながらも休憩室もありました。脱衣場は棚にカゴ、そして小さな洗面台があるだけで、非常にシンプルというか質素な造りです。田舎の共同湯らしい素朴さがここにもあります。ガラス戸の奥はすぐに浴場です。外壁側に洗い場が並び、男女を仕切る壁際に湯舟があります。洗い場には湯水のカランとシャワーがついていますが、石鹸類はないので各自で用意する銭湯スタイルです。ホワイト系のスタンダードなタイル張りの浴室で、小ぢんまりとはしながらも明るく清潔感に溢れる浴室です。浴室には一応窓はあるものの高い位置にあるので外光が射しこむ程度ですが、それなりにとても明るい印象を受けました。やはり室内が明るいというだけで狭苦しさはなくなり、ゆったりとした感じになりますね。湯舟は手前と奥とふたつに区切られています。無色透明の湯で、見た目には特に違いはなさそうですが、手前が熱めで奥がぬるめの温度設定になっているそうです。たまたまそうだったのかわかりませんが、確かに手前の方が熱かったのですが、そんなに温度差はないように感じました。湯舟に浸かると、スーッと肌に馴染むような軽い感じの湯で、サラサラとした浴感があります。変な癖はないので、とても感触のいい湯です。内湯のみで露天風呂などはないので、浴室内はちょっと(こも)ったような息苦しさを感じるので、熱い湯に浸かっているとすぐにのぼせてきてしまいます。浴室内には休むところもないので、入浴客の回転はよさそうです。やはり地元の方々が多いようで、顔なじみらしい常連さんたちが次から次へとやってきて、入れ代わり立ち代りとても賑わっているようでした。非常にシンプルな浴場ながらも、地元の方々に混じって、ローカルなムードを楽しむにはちょうどいい感じの湯だと感じました。
掲載: 2014/10/31
Data
  1. 所在地:岩手県和賀郡西和賀町湯本温泉
  2. 源泉名:湯本温泉(第3号泉)
  3. 入浴 :2013年8月
  4. 泉質 :ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉
  5. 泉温 :源泉88度
  6. 湧出量:毎分611リットル
  7. PH :8.3
  8. 蒸発残留物:1.644g/kg
  9. ラドン含有量:3.6×10-10キュリーラドン/リットル
  10. 形態 :共同湯 男女別
  11. 露天風呂:なし
  12. 開放度:☆
  13. 清潔度:☆☆
  14. 気軽度:☆☆☆
  15. 地元度:☆☆☆☆☆
  16. 景色 :
  17. 総合評価:☆☆☆