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長野県

なかだなおんせん・なかだなそう

中棚温泉・中棚荘

心ゆくまでのんびりしたい大人の隠れ宿
小諸駅から数分、千曲川に程近いのどかな場所に中棚荘があります。島崎藤村ゆかりの宿なんて呼ばれているとおり、文人島崎藤村がよく通ったという由緒正しい温泉旅館なのだそうです。今回は小雪の舞う中、立ち寄りで訪れました。山の中というか斜面に建つ旅館で、江戸時代の旧家を移築したという建物は、いかにも歴史を感じさせる佇まいです。それでいてちっとも古びた雰囲気はなく、とても洒落た高級感のある宿でした。館内に入ると小さなロビーがありますが、調度品も小じゃれていて民芸調の佇まいがどことなく懐かしく感じます。浴場は館内を奥に向かっていったところに文人風呂というのがありました。廊下の途中から外に出て、そして階段を登った高台に浴舎がありました。手前側が男湯で、女湯は男湯の先にあるようです。建物に入ると脱衣所があるのですが、すぐ奥には湯舟が見えます。いや、見えるだけでなくそこにあるのです。脱衣所と浴室の間には壁などはなく、一体化している感じなのです。うまく空調が効いているのでしょう、ちっとも蒸したような感じはなく快適な感じです。脱衣所にはロッカーはなく、カゴがおいてありました。そのカゴに衣類をいれて置いておくようです。浴場は窓際に大きな湯舟、そして壁側には洗い場があります。木造のとてもあたたかみの感じる浴室です。湯舟は2つ並んでいるように見えたのですが、大きな湯舟が真ん中を通る丸太で区切られているだけでした。この丸太は湯枕として利用する意図があるようです。手前側には石の大きな杯のような湯の注ぎ口があり、トロトロとあふれ出すように流れ注がれていました。湯は無色透明で、スベスベとした柔らかな感触がある滑らかな印象の湯でした。湯舟の奥側にはリンゴもプカプカと浮かんでいます。どうやら「初恋りんご風呂」なんてネーミングされているようです。秋から春までの季節限定だそうです。リンゴの香りが漂って、とてもいい気分です。湯は循環されながら掛け流しているそうで、湯舟の湯はちょうどいい温度です。注がれている湯はややぬるめで、また少し白濁した印象です。ガス成分が含まれていて次第に透明になるのだそうです。なるほど硫化水素のような軽い感じの香りがあり、口に含むと苦いような甘いような不思議な味覚がありました。浴室の奥には露天風呂もあります。露天は手前と奥と2つに区切られていて、奥にはチョロチョロと打たせ湯のようなものもありました。浴場は高台にあるので、外の景色を眺めながら気持ちよく浸かることができました。今回は水墨画のような雪景色を眺められましたが、普段は長閑な田舎景色を楽しめるのでしょう。それにしても何でしょう、館内の雰囲気といい、滑らかな湯といい、そして静かな佇まい、すごく居心地がいいです。立ち寄りで来たのがもったいないと後悔してしまうくらいいい雰囲気でした。機会があれば是非今度は宿泊で遊びに来たいです。それくらい感じのいい温泉旅館でした。
掲載: 2015/12/13
Data
  1. 所在地:小諸市古城区中棚
  2. 源泉名:中棚温泉2
  3. 入浴 :2014年2月
  4. 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性温泉)
  5. 泉温 :源泉38.2度
  6. 形態 :温泉旅館 男女別
  7. 露天風呂:あり
  8. 開放度:☆☆☆
  9. 清潔度:☆☆☆☆
  10. 気軽度:☆
  11. 優雅度:☆☆☆☆
  12. 景色 :☆☆☆
  13. 総合評価:☆☆☆