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群馬県

さるがきょうおんせん・きつねのゆ

猿ケ京温泉・きつねの湯

真冬でもあたたか、手先のぬくもり
国道17号線を新潟県方面に向かった群馬県側、街道の難関と呼ばれた三国峠の手前に猿ケ京温泉があります。赤谷湖という人造湖が目の前にあり、かつての温泉地はダムの建設とともに湖に沈み、現在の場所に新たに温泉街が形成されたという歴史があります。関越自動車道の開通により、三国峠を越えて行き来する人は少なくなりましたが、良質の温泉と豊かな自然に囲まれ、四季を通じて人気のある観光地です。今回は冬のウインタースポーツを楽しもうと宿泊でやってきました。宿についたところで温泉街を散策しようと外に出ますが、さすがに真冬とあって頬が凍ってしまうのでないかと思うほど冷たく寒いです。幸いにも路面には雪はなく、路肩や空き地に残雪があるくらいです。何となしに散歩で出ただけなので、何があるかどうかもわからないまま歩いていくと、多目的集会所と書かれた公民館のような建物の路肩のようなスペースに湯けむりが立っているのを見つけました。近づいていくと大きな杯のような御影石の皿に、細い竹筒から熱い湯が注がれています。注がれた湯は、杯の側面にある穴からこぼれて、落ちていました。傍らには小さな案内表示があり、そこには「民話の湯 手湯めぐり きつねの湯」と書かれています。それによるとその昔、化けるのが下手な子狐にやたさんという爺さんが化け方を教えた。それからというもの、夜道にやたさんが温泉に行くときは可愛い女の子に化けて、送り迎えしてくれるようになったとか。ちょっとした小話ですが、猿ケ京らしい民話が面白いです。というわけで、この杯は手湯のようでした。高さ的にも手を伸ばしたときにちょうどいい具合にあります。さっそく手を入れてみると、こんな寒い中にあるのにかなり熱いです。凍えた手がジンジンと痺れるくらいの温度で、熱すぎずすごく気持ちがいいです。夏場だと熱過ぎるかもしれませんが、この季節にはちょうどいいくらいの温度でした。ちなみに湯は軽く濁っているようにも見えますが、ほとんど無色透明です。石のまわりにはうっすらと温泉による着色が見られ、薄い褐色やベージュにコーティングされていました。軽く口に含んでみると、ほんのりとミネラル味を感じます。手先だけなので浴感ってほどのものはありませんが、話のネタにはなりそうなものでした。手湯めぐりと書かれているので、温泉街には他にもあるようですが、今回はここだけの利用となりました。また機会があれば散策してみようと思います。
掲載: 2018/12/04
Data
  1. 所在地:群馬県利根郡みなかみ町猿ケ京温泉
  2. 入浴 :2018年1月
  3. 形態 :手湯
  4. 脱衣所:なし
  5. 開放度:☆☆☆☆
  6. 清潔度:☆☆
  7. 気軽度:☆☆☆☆☆
  8. 穴場度:☆☆☆
  9. 異色度:☆☆☆
  10. 景色 :☆☆☆
  11. 総合評価:☆☆☆