鹿児島県
こやまだおんせん・ゆのはなおんせん
小山田温泉・湯の華温泉
怪しさいっぱいなのに妙に落ち着く心地よさ
鹿児島市から日置市に向かう国道3号線沿い、小山田町に湯の華温泉という温泉施設があります。近辺で温泉施設を探していたところヒットしたので、さっそく訪れてみることにしました。場所は国道沿いだけあってすぐにわかりましたが、いざ辿り着いても何だか温泉施設の雰囲気がありません。らーめんやうどんを扱っている食べ物屋はあるのですが、温泉施設というかそれらしき建物が見当たりません。駐車場をふと見渡すと、その建物の脇にボロボロになった温泉の看板があり、下に降りていく階段がありました。もうすでに廃業してしまったのかというような雰囲気ですが、一応その先に行ってみようと階段を降りました。するとその先に浴舎らしきものと、受付があります。ただ受付には人がいなかったようなので、やはり休業してしまっているのかなと思い始めた瞬間、うしろの方から「いらっしゃ〜い」という元気な声が響いて、受付に駆け寄っていくご婦人がいました。どうやらしっかりと営業しているようです。見かけが古くとも、しっかりと営業していれば問題ありません。とても明るい感じの女性で、さっと受付をしてくれました。浴舎は手前の扉が男湯で、奥が女湯のようです。さっそく扉を開けようとしましたが開きません。反対側は開いたので片側しか開かないようです。中に入ると、その開かない側のところは壁になっていました。中はすぐに脱衣所ですが、けっこう小ぢんまりとしています。棚にカゴ、それからスチールロッカーもありますが、全体的に古びた印象です。浴室に入ると、こちらは窓もなくとても薄暗い内湯がありました。奥に細長く、片側壁に洗い場が７か所、反対側は大きな湯舟となっています。また、奥の方にも湯舟があり、水風呂と小さな浴槽です。本当に薄暗く、なんだか不気味なくらいでした。大きな浴槽の方は手前に打たせ湯があり、かなり豪快に湯が落ちています。高さは３メートルぐらいありますかね。湯量も多いので凄い迫力です。そのせいもあってか、浴室は轟音が響いています。まるで首都高の真下に湯舟があるのかというぐらい、ゴゴゴゴーッと大きな音がしていました。湯舟の湯は無色透明でけっこうぬる目の湯です。すごくあっさりというかさっぱりとした軽い感触の湯でした。アルカリ性の温泉ということで、肌がサラサラとするような柔らかさも感じました。ちなみに洗い場にはボディソープなどの石鹸類はありません。それでいて設備も古びているので、この怪しさに慣れている人しか来ないのじゃないかという雰囲気でした。平日の夕方でしたが、１時間ぐらいの間に３人しか客が来ていませんでした。でも、お湯はしっかりとした湯で、滑らかだし、浴後はツルツルとするし、豪快に掛け流しだし、悪くはありません。せめて入口の看板だけでも直したら、もう少し客は増えるのではないでしょうか。帰り際、階段を上っていると、また元気な声で挨拶されました。対応はすごくいい感じなので、ものめずらしさを求める人でなくても、利用して損はないのかなと思いました。
掲載: 2019/05/25
Data
- 所在地:鹿児島県鹿児島市小山田町
- 源泉名:甲突川右岸66号
- 入浴 :２０１８年６月
- 泉質 :単純温泉(低張性、弱アルカリ性、温泉)
- 泉温 :源泉40.1度
- ＰＨ :８．３
- 蒸発残留物:0.242g/kg
- ラドン含有量:0.17 (百億分の一キューリー単位)
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :
- 総合評価:☆☆☆
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