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長野県

かきぞれおんせん・やきやまのゆ けいこくのやどいちかわ

柿其温泉・やきやまの湯 渓谷の宿いちかわ

ヤギが出迎えてくれるぬくもりの宿
南木曽町にある柿其渓谷は、木曽路の中でも特に美しいと定評のある景勝地です。遊歩道からは浸食された花崗岩の岩肌を縫うようにして流れる柿其川を楽しむことができるとのこと。特に秋の紅葉時には見事な渓谷美で目を楽しませてくれるそうです。そのすぐ近くに温泉があるということで、訪ねてみることにしました。国道からだと距離としては少しなのですが、けっこうクネクネとした道をいくようです。木曽川を渡って対岸に行くと、そこから急に道が細く急で曲がりくねった道になります。田畑の中を縫うようにして走っていきますが、ところどころ民家もあって、ほんと山の集落って感じです。それにしても道は細く、つくづくこの辺りに住んでいる方は大変だろうなと感じてしまいます。そしてその道をひたすら行くのですが、地図では近いのですが、曲がりくねっている分だけとても遠く感じます。柿其渓谷の駐車場を過ぎたあたりにようやく宿が見えてきました。宿はとても小ぢんまりとしていますが、駐車場の入口にはヤギが出迎えてくれていたりと、歓迎ムードいっぱいです。しかも塀には、食事だけでもとか、入浴できますとか、誰でも入れますなど書かれています。確かにそう書かれていないと、ちょっと立ち寄りづらい雰囲気かもしれません。この看板のおかげで、怖気づくことなく立ち寄り入浴することができました。玄関を入るとチャイムが鳴ってすぐに人がでてきました。入浴料を払うと、すぐ正面の浴室に案内されますが、「今朝入ったきりだからちょっとぬるいかも。ぬるかったらお湯を入れて」と言われました。確かに思っていた以上に秘境だったので、そうそう誰かくるものではないのかもしれません。脱衣場に入るとすごく狭くて簡素なものです。そこには温泉分析表の他に信州秘湯会から「お客様へ」と書かれた貼紙がありました。本物の温泉だとか、独特の価値があるとか、いろいろと書かれていて、温泉への拘りを感じる一枚です。さっそく浴場に入ると、こちらも狭いのですが、最近改築でもしたのでしょうか、壁から床まで木目の鮮やかな板張りで、すごく清々しいのです。洗い場は3つ、そして小さな湯舟がひとつだけ。非常にシンプルですが、高級感さえ感じる佇まいです。沸かしているので誰も利用者がいないときは蓋がしてあるようです。蓋をあけると、中には無色透明の綺麗な湯がありました。思っていたよりもぬるくはなく、最初はそのままで入り、少し経ってからお湯を足して温度調整をしました。あまり癖のない湯ながらも、サラサラとしたとても滑らかな感触の湯です。ペーハーは5.69ということで、ほんの少し酸性のようですが、あまり刺激のない優しい湯に感じました。木製の湯舟がそう感じさせているのかもしれません。放射能泉ということで、お湯そのものの特徴は強くはないもののも、すごくいい湯に感じます。ちなみに大きな窓の外からは春の山の長閑な景色が広がっていました。山の途中に山桜が咲いているなど、春を感じながら湯を楽しむことができました。それにしてもいい雰囲気のところで、どうせなら宿泊して本当にのんびり過ごしたいと感じるほど、何もない贅沢を味わえました。ここはちょっと行きづらいところですが、とてもおススメです。
掲載: 2019/09/23
Data
  1. 所在地:長野県木曽郡南木曽町読書
  2. 源泉名:柿其温泉やきやまの湯
  3. 入浴 :2019年4月
  4. 泉質 :単純弱放射能冷鉱泉
  5. 泉温 :源泉7.6度
  6. PH :5.69
  7. 蒸発残留物:28mg/kg
  8. 形態 :温泉宿 男女別
  9. 効能 :痛風、動脈硬化、高血圧症、慢性胆嚢炎、胆石症など
  10. 露天風呂:なし
  11. 開放度:☆☆
  12. 清潔度:☆☆☆☆
  13. 気軽度:☆☆
  14. 穴場度:☆☆☆☆
  15. 秘湯度:☆☆☆☆
  16. 景色 :☆☆☆
  17. 総合評価:☆☆☆