富山県
なまずおんせん
鯰温泉
麦飯石の湯と、濃厚な赤湯、マイルドな塩化物泉が味わえる
富山市、神通川左岸の海岸近く。四方漁港にもほど近い場所に鯰温泉があります。その昔、弥三郎という漁師が、足を悪くした母親のために薬を探していたものの、良薬にめぐり会わずに困っていたところ、5匹の白いナマズがいる小さな泉で傷を癒すキツネを見つけたとのこと。その泉の水を汲んで母親の足にかけたところ、具合がよくなったとの温泉発見の言い伝えがあるそうです。ここは旅館ですが、公衆浴場も併設しているというので、訪れてみました。とても長閑な田んぼの中にポツンと建つ大きな建物です。もう一軒、目の前に「鯰第一温泉ふじのや」という旅館もありました。交差点を挟んで二軒の宿があるようです。さっそく温泉に入ろうと近づきますが、大きな旅館の玄関ではなく、さらに奥まったところに行くと、銭湯の入口がありました。さらに隣には古めかしい銭湯の入口があります。こちらの古い入口は使われていないようです。館内に入るとすぐに番台があります。浴場は右手奥に向かったところにありました。とても小ぎれいで、田舎の旅館らしい暖かみの感じる館内です。脱衣所は簡易的な鍵のかかる木造ロッカーが並んでいます。けっこう地元の方々が多く利用されているようで、入れ代わり立ち代り、入浴客が訪れていました。浴室に入ると銭湯らしさのあるタイル張りの内湯です。妙に明るいなぁと思ったら、手前側の天井には丸い明かり窓がありました。浴室の手前側が洗い場となっていて、奥の窓側に湯舟があります。また、手前には小さなサウナもありました。洗い場はボディソープなどの石鹸類は用意されていないので、普通の銭湯と同じように各自が持参するシステムとなっています。湯舟は大小２つに区切られていて、大きい方は無色透明の綺麗な湯で、小さい方は濃厚なオレンジ色の湯でした。無色透明の湯は麦飯石のお風呂だそうで、湯の注ぎ口のところに石が置いておりました。小さな湯舟は透明度が３センチほどしかなく、底がどうなっているのかよくわかりません。足で探りながら入ると、手前に段がありました。鉄分の香りがプンプンと漂う湯で、肌がキシキシと軋むような湯でした。さらに外には露天風呂もあるようです。外に出てみるとちょっとした庭になっていて、その隅に屋根付きの湯舟がありました。こちらはまた内湯とは印象が違って、薄く黄色っぽい色をした湯でした。こちらも天然温泉と書かれています。すごくマイルドな湯ですが、ちょっと温度が高く熱かったです。内湯と露天風呂は泉質が違うそうで、二種類の温泉が使われているとのことでした。春先のゴールデンウイークに訪れたのですが、とにかく天気もよくて、それでいて吹きぬける風は冷たくて、すごく気持ちがいいです。海水浴場も近いので、観光の拠点として、行楽のついでにと使い勝手のいい温泉銭湯だと感じました。
掲載: 2019/10/05
Data
- 所在地:富山県富山市今市
- 源泉名:鯰温泉 (内湯)5号井、(露天)3号井
- 入浴 :２０１９年５月
- 泉質 :(内湯)含鉄-ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-塩化物冷鉱泉
(露天)含鉄・硫黄-ナトリウム-塩化物泉 - 泉温 :(内湯)源泉19.3度、(露天)源泉29.4度
- ＰＨ :(内湯)７．３、(露天)６．８
- 形態 :温泉旅館・公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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