大分県

しんみなとおんせん

新湊温泉

ツルツルスベスベ、隠れた名湯銭湯
国道10号線沿い、西大分駅からも程近い港寄りに新湊温泉という小さな温泉銭湯があるというので、訪れてみました。場所は「かんたん港園」という公園のすぐ目の前です。1時間無料の駐車場が公園にあったので、そこを利用して行ってみました。温泉施設はビルの1階にあるようなので、看板のある方に向かいましたが、よくわかりません。家族湯の入口は見つけられたのですが、公衆浴場の入口がわからず、一度通り過ぎてしまいました。よくよく見てみると家族湯の入口脇に受付があって、その陰に浴場の入口がありました。ビルの1階というと、建物の正面に入り口があると想像しがちですが、陰というか裏というか、従業員の通用口のような印象の場所にそれはありました。しかも古びていてまるで廃墟のような佇まいにびっくりしてしまいましたが、とても穴場的な場所を見つけた気分で楽しくなってきました。ところが、番台には誰もいないのです。浴場の照明もついているし、番台のテレビがつけっ放しになっているので、営業はしているようです。後からきた客が、お金をそこに置いておけばいいんじゃない?と無責任なことを言うのですが、それに倣って入ることにしました。浴場入口の扉はドアストップが置いてあって半分開いた状態です。中はすぐに小さな脱衣所です。錆び付いたスチールロッカー、シミだらけの壁、雑多に積み重ねられたマンガ本。妙に場末な雰囲気はあるものの、エアコンは新しく綺麗です。設備は古びているものの、清掃はよく行き届いている感じで不潔な印象はまるでありませんでした。浴室に入るとすぐにサウナ、そして正面に洗い場と湯舟があります。すごく小ぢんまりとしていて、他に客が何名かいたら窮屈に感じるでしょう。幸いにも誰も利用者がいなくて貸切状態です。女湯の方には何名かいらしたようなので、もし同じような規模なら芋洗い状態ではないでしょうか。洗い場のカランは3カ所、うちシャワーは1基だけです。湯舟は横2メートルほどの小ぢんまりとしたものです。ただ湯だけがトロトロと注がれ、そしてそのまま流されています。すごく地味で質素ながらも、なんかいい予感がします。掛け流されている湯はクリアながらも薄い黄褐色をしていて、ちょっとしたモール臭を感じます。透明度は2メートルほどでしょうか。さっそく掛け湯をして入りますが、入った瞬間にビビッと何かを感じるくらい、お湯がスッと肌に入り込んでいきます。そしてものすごくツルツル、いやスベスベとした肌触りが全身を包み込みます。思わずうっとりとしてしまう感触です。温度もちょうどいいぐらいで、自然と笑みがこぼれるくらい気持ちのいい湯です。すごく地味で陰湿な雰囲気の浴室ですが、そんなことどうでもいいぐらい、いやむしろお湯に集中できるのでこの方がいいんじゃないかと思うくらい落ち着きます。妙に新しいサウナの扉が気にかかるぐらいです。体が温泉に馴染んでくると、ますますツルツル度が増してきます。湯上りは床が滑りやすくなるので注意が必要かもしれません。ちなみに湯の注ぎ口のところにはコップも用意されていました。飲泉できるのでしょうか、ちょっと味見をしてみます。ほとんど味覚はないものの、微妙に苦いような甘いような軽い味がありました。飲泉できるのだとしたら飲みやすい温泉です。帰り際すれ違いで男性客が来ましたが、小さい施設だけに利用者も少なめで、とても落ち着いた印象の湯でした。
掲載: 2020/05/12
Data
  1. 所在地:大分県大分市生石
  2. 入浴 :2019年12月
  3. 泉質 :単純温泉
  4. 泉温 :源泉49.0度
  5. 形態 :公衆浴場 男女別
  6. 効能 :リウマチ性疾患、運動器障害、神経麻痺、神経症、病後回復期など
  7. 露天風呂:なし
  8. 開放度:☆
  9. 清潔度:☆☆
  10. 気軽度:☆☆
  11. 地元度:☆☆☆☆
  12. 穴場度:☆☆☆☆
  13. 鄙び度:☆☆☆☆
  14. 異色度:☆☆☆
  15. レトロ度:☆☆☆☆
  16. 景色 :
  17. 総合評価:☆☆☆☆