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群馬県

いかほおんせん・あしゆきしごんたつのゆ

伊香保温泉・足湯 岸権 辰の湯

石段に歩き疲れたら、足湯で気軽に名湯を楽しむ
榛名山の東麓にある伊香保温泉は古くから栄える群馬県を代表する温泉のひとつです。古くは万葉集にも登場するという歴史の長い湯で、戦国時代あたりにはすでに療養地として整備されていたとのことです。温泉街を貫く石段は伊香保温泉の名物になっていて、お土産屋や飲食店、宿泊施設などが並び、とても活気づいている温泉地です。石段も下から上まで365段もあり、その高低差もそうですが、角度も急で、他の温泉街にはない珍しい風景となっています。しかも、この石段には上から源泉が流れていて、窓越しにその流れを見ることができます。ここは「小間口」という独自の配湯方法をとっていて、古くから同じ方法で管理されているそうです。また、その石段にはところどころに十二支が描かれたプレートが埋め込まれています。これはかつてあった大屋の屋敷跡だそうです。享保3年(1764)に、12軒ある温泉宿(大屋)に十二支が振られ、年番制で名主を務めていたのだそうです。多くは時代とともになくなってしまいましたが、今でも残る歴史ある温泉宿のひとつが「岸権旅館」です。この旅館前には「辰」が埋め込まれていました。そしてこの宿の前にあるのが、足湯の「岸権 辰の湯」です。宿泊者以外の一般の方も利用できる足湯で、門の前にさりげなくも優雅な存在感を醸し出している足湯施設です。長方形の長細い湯舟に、屋根のついた立派なものです。金属製の辰の像が飾られた湯口からトロトロと源泉が注がれていました。このときは新型コロナウイルスのパンデミックで、世界中が大きな影響を受けた年、ようやく非常事態宣言も完全解除されたばかりの頃でした。その影響もあって、本来は細長い湯舟の両脇に座面があるのですが、対面での接触を避けるため、片側だけの利用となっていました。湯舟の長さは2メートルぐらいなので、ちょこっと間隔を開けて数名が浸かれる感じです。お湯は薄い赤茶色に濁った湯です。伊香保名物のいわゆる「黄金の湯」です。透明度は20〜30センチくらいでしょうか、しっかりと濁っています。湯舟の底にも非常に細かなオレンジ色をした沈殿物があり、濡れた足をタオルで拭くと、タオルに色がつくほどでした。お湯はあっさりとしつつもマイルドな感触で、温度も熱すぎずぬるすぎず、ちょうどいい湯加減でした。足湯に浸かりながら石段を昇り降りしている観光客を眺めていると、なんとも不思議な気分です。階段を昇って一休みしたいときにちょうどいいところにあるので、伊香保に来たらここで癒されるのもいいでしょう。
掲載: 2020/10/29
Data
  1. 所在地:群馬県渋川市伊香保町伊香保
  2. 源泉名:伊香保温泉 本線:黄金の湯
  3. 入浴 :2020年6月
  4. 泉質 :硫酸塩泉(カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉)
  5. 泉温 :源泉40.9度
  6. 湧出量:毎分300リットル
  7. PH :6.4
  8. 蒸発残留物:1.04g/kg
  9. 成分総計:1.28g/kg
  10. 形態 :足湯 男女混浴
  11. 効能 :動脈硬化症、きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童など
  12. 脱衣所:なし
  13. 開放度:☆☆☆
  14. 清潔度:☆☆☆
  15. 気軽度:☆☆☆☆☆
  16. 景色 :☆☆☆
  17. 総合評価:☆☆☆