宮崎県
つあなおんせん
湯穴温泉
薬効高いと評判の濃厚な鉱泉
宮崎県都城市にある津穴温泉にやってきました。ここは10年ぶりくらいの再訪です。昔の記憶を頼りにやってくると、この津穴温泉の看板が見えてきました。看板から急な坂道を上ると、その上に温泉施設があります。すごく小ぢんまりとした小さな浴場ですが、この素朴ながらも独特の雰囲気は昔から変わらないようです。浴舎はちょっと垢抜けた、昔のノリのペンションのような雰囲気です。駐車場に車を停めると、番人が料金を受け取るため、待っていてくれました。浴舎に入るとすぐに脱衣場です。けっこうガランとした広めのスペースで、棚にカゴ、小さな洗面台があるシンプルなものです。以前、訪れたときには入浴客でごったがえしていたのですが、今回は先客は少ないようです。少ないながらも数名がいるようですが、やたらと静かです。荷物があるので確かにいるようですが、浴室から音がしないのです。恐る恐る浴室に入ってみると、そのときには４名の先客がいましたが、皆さん静かに入浴しています。静かに入りたくなる理由として、とにかくゆったりと落ち着いた雰囲気ながらも、温泉の効果が見た目にもわかるぐらい、個性的な温泉なのです。まずは床がすごいです。湯舟からのオーバーフローによるものでしょう。湯舟の縁から床にかけて温泉のカルシウム分が堆積していて、鍾乳石のようになっているのです。そして湯舟はうすく濁りながらも底が見えないぐらいの白濁した湯がありました。まずは脇にある洗い場で体を流しますが、シャワーの出はあまりよくない感じです。そしてさっそく湯舟に浸かります。湯舟は大小２つに区切られていて、小さい方は水風呂になっていました。水風呂といってもおそらく源泉なのでしょう、こちらも温泉のコーティングがすごいです。源泉は無色透明のきれいな湯ですが、加熱してある方は白濁しています。加熱の仕方もまたこだわりを感じます。それというのも、脇にバルブがあり、そのバルブを捻ると太いパイプからグオォォォォと轟音を立てながら熱気がでて湯をあたためているようでした。また、湯舟の奥には水のバルブがあります。いや、水ではなく源泉ですね。横にコップも用意されているので飲泉もできるようです。バルブを捻ると透明で冷たい源泉が出てきました。さっそく飲んでみると、とても爽やかな酸味があります。ちょっと硬度の高い炭酸水を飲んでいる感じです。なるほどこれは独特な感じです。こんな透明な湯が、加熱されるとこんなに濁るのですね。お湯を加熱しないときは本当に静かです。みなさんじっくりと浸かっているので、すごくしっくりと過ごすことができました。ちなみに水風呂もいい感じの冷たさなので、この冷温浴を繰り返すとさっぱりとして気持ちがとてもいいです。ついつい長湯になってしまうのでしょう、壁には一時間以内でと書かれていました。そうですね、ずっと長湯したくなる気持ちもわかります。最後にじっくりと温まったところで出ましたが、浴後は肌がちょっと突っ張るような感じがありました。とても個性的な温泉で、また機会があれば立ち寄りたいですね。
掲載: 2021/10/02
Data
- 所在地:宮崎県都城市吉之元町
- 源泉名:湯穴温泉
- 入浴 :２０２１年３月
- 泉質 :カルシウム-炭酸水素塩冷鉱泉(低張性、中性、冷鉱泉)
- 泉温 :源泉22.5度
- 湧出量:毎分30リットル
- ＰＨ :６．２
- 蒸発残留物:1.345g/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :きりきず、やけど、慢性皮膚病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 地元度:☆☆☆☆☆
- 鄙び度:☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆☆☆
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