大分県
とろろのゆ
とろろ乃湯
とろりと甘い、山の奥のまさに秘境温泉
耶馬渓インターを降りると何だかとても静かな山の中でした。そこからさらに細い山道を登って目的地に向かうのですが、やたらと細い道を登っていきます。ナビが意地悪をしているのかと疑ってしまうくらいの山道を走ります。たまに集落と田畑があるけど、ほんとにローカルな山の中という感じです。ずいぶんと奥に来てしまったなぁと思った頃に見えてくるのが「とろろ乃湯」という温泉施設です。途中に小さな案内看板はあるものの、あまり人の気配を感じないような山の中に、その施設はありました。こんなところまで来る人なんかいるのだろうかと不思議に思ったのですが、駐車場には複数のクルマが止まっています。ここはモダンなスタイルのレストランもあり、食事をする人の姿もありました。今回は入浴のみの予定だったので、食事のレジで料金を払って、そのまま浴舎に向かいました。とても小ぢんまりとした施設ではあるものの、和風モダンな雰囲気があり、とてもしゃれた印象を受けました。暖簾をくぐって中に入ると、右が男湯で左が女湯となっています。左奥には小さなスペースがあり、文庫本が並んでいました。待ち合わせに使うスペースのようです。脱衣所に入ると、棚とカゴ、洗面台がありますが、やはりとても小ぢんまりとした小規模のものです。棚やカゴはそれなりにありますが、浴場の規模を考えると、これが埋まるほどのキャパはないように思えます。浴室に入ると外壁側に洗い場があり、内側に湯舟があります。湯舟はそれなりに大きいようですが、手前側四分の一ぐらいが浅くなっていました。無色透明の湯がトロトロと注がれています。さっそくかかり湯をして入りますが、意外とぬるめのようです。しっとりとしながらもサラサラとし、軽くツルツルとした浴感もあります。癖のない湯なので、肌にも優しい印象の湯でした。外側には露天風呂もあります。こちらは岩風呂になっていました。山の中ののんびりとした空気を吸いながらの露天は非常に気持ちがいいです。こちらもトロトロと湯が注がれていて、その湯の注がれる音だけが響きわたっています。露天の一角には小さな湯壺がありました。触ってみるとこちらは水風呂のようです。水風呂といっても冷たいというほど冷たくはなく、ぬるいというほど温かくもないような微妙な温度です。一人が浸かるにはちょうどいい深さと大きさです。しかしこれは水風呂なのでしょうか、よくわかりませんでした。それにしてもいい気分です。先客が数名いたのですが、やがて出て行っていまい、独占状態になりました。周囲は山ばかりですが、それが湯舟に浸かっていてもわかるぐらい、静かな山の中です。ぬるめの湯ということもあり、すっかり長湯してしまいました。ちなみに注がれる湯を味見してみると、ほのかに甘く感じます。グラニュー糖のようなまっすぐな甘さではなく、甜茶のような広がる甘さです。こんな甘い湯もあるもんだなと、個性的な湯に驚きました。それにしてもこの湯のネーミングは何でしょう。最初は「トトロ」かと思いましたが、「とろろ」です。山芋のとろろをイメージしているのでしょうか？いや、この山の中の感じは、トトロでもいそうな雰囲気です。勝手な妄想をしながら楽しく温泉を楽しみました。
掲載: 2021/10/18
Data
- 所在地:大分県中津市耶馬溪町山移
- 源泉名:とろろ乃湯
- 入浴 :２０２１年４月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性温泉)
- 泉温 :源泉33.6度
- ＰＨ :８．６
- 蒸発残留物:0.332g/kg
- 形態 :日帰り温泉施設 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばりなど
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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