富山県

ひかたえおんせん

日方江温泉

麦茶色をした天然温泉を気軽に楽しむ
富山市の海側、富山湾の海岸に面した日方江温泉を訪れてみました。年の瀬迫るクリスマス。運悪く大雪警報が出る中、寒さに耐えながらの訪問でした。ここはいわゆる公衆浴場、つまり銭湯です。小さな素朴な銭湯ながらも、天然温泉を引いているということで、楽しみにやってきました。銭湯というと昔ながらの歴史ある浴場を想像しがちですが、ここは2009年にオープンしたという、比較的新しい銭湯のようです。土曜日の夜に訪れたのですが、一番込み合う時間帯かと思いきや、大雪のせいでしょうか、お客さんはまばらのようです。利用する側としてはラッキーです。さっそく館内に入ると、下足箱は大きな木札が鍵となった伝統的なスタイルです。そしてちょっとしたロビーがあり、受付の右側が女湯、左側が男湯となっていました。脱衣場は簡易的な鍵付きのロッカーが並びます。ゆったりとした洗面台もあり、シンプルながらも清潔感のある素朴な佇まいです。浴室は右手にシャワーとサウナ、左側は湯舟と洗い場があります。洗い場は内側に7基、奥に4基、計11基のカランがあります。ボディソープやリンスインシャンプーなどは用意されていないので、各自が持参するシステムです。浴室は小ぢんまりとした施設ながらもゆったりとし大きくて、シンプルながらも好印象です。湯舟は大小二つ並んでいますが、小さい方は水風呂です。大きい方は天然温泉の浴槽となっていますが、見た目にもけっこうインパクトがあります。それというのも、麦茶のようなクリアながらも焦げ茶色をした湯なのです。麦茶よりは薄いですが、けっこう濃厚な色をしています。さっそく浸かってみると、ツルツルとした浴感とモール臭がします。なるほど、こういう湯なのですね。モール泉は感触がよくて、香りも独特の優しい感じなので、けっこう好きです。しつこくない程度にしっかりと主張してくるし、ほんのりとツルツルと滑らかな感触もあって、非常にハイレベルな湯でした。湯舟にはジェットバスもついていて、全体的にとても熱い湯です。熱いので、ちょっと浸かっているとすぐに茹ってきてしまいます。あまり長湯するとのぼせてくるので、隣の水風呂で冷やすことにしました。すると、この水風呂はけっこう冷たいです。ジャンジャンと蛇口から冷たい水が注がれているのですが、本当に冷たいです。キューっと引き締まるような感じで、冬場にはキツイぐらいです。なので、この水風呂で引き締めたあと、また熱い湯に浸かると、クラクラとしてくるぐらいグッとくるインパクトのある楽しみ方ができました。けっこう他の方も、すぐにあがってしまうのではなく、水風呂と熱い湯を交互に楽しみながら、長湯している方が多かったのが印象的でした。浴後はしっかりと体があたたまったみたいで、真冬だというのにいつまでも体がポカポカとあたたかくて、非常に気持ちが良かったです。すごく地味でひっそりと存在する銭湯のようですが、天然温泉施設として非常に魅力的な銭湯です。このときは悪天候の影響もあってかゆったりと楽しめましたが、この温泉は本物なので、場合によっては混雑するかもしれません。また、海水浴場も近いので、夏場には行楽ついでに立ち寄って癒すのにも便利な場所のように感じました。四季を通じて便利に楽しめる温泉施設ではないでしょうか。
掲載: 2022/06/13
Data
  1. 所在地:富山県富山市針日
  2. 入浴 :2021年12月
  3. 泉質 :ナトリウム-塩化物泉(低張性アルカリ性高温泉)
  4. 泉温 :源泉44.2度
  5. PH :7.6
  6. 形態 :公衆浴場 男女別
  7. 効能 :切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
  8. 露天風呂:なし
  9. 開放度:☆
  10. 清潔度:☆☆☆
  11. 気軽度:☆☆☆☆
  12. 地元度:☆☆☆☆
  13. 景色 :☆
  14. 総合評価:☆☆☆