富山県

ほうりんじおんせん

法林寺温泉

山の谷間の静かないで湯
富山県南砺市、市街地から医王山方面に山を登っていくと、その途中に法林寺温泉があります。ポツンと山影に佇む一軒宿です。40年以上続く小さな旅館ですが、日帰り入浴も受け付けてくれているということで、さっそく訪れてみました。山道に入ってわりとすぐにその目的地にたどり着きました。想像していたよりもとても立派でしっかりとした鉄筋の宿です。もっと鄙びたところかと思っていましたが、とても清潔的な印象です。館内に入ると、すぐにフロントがあるので、そこで入浴の受付をします。浴場はロビーのすぐ正面にありました。わりと日帰り入浴客も多いようで、次から次へと入浴客が訪れてきますが、ほとんど地元の方々のようです。脱衣場は意外にもゆったりと大きいです。ロッカーもたくさんあるので、多少混雑していても窮屈には感じないでしょう。洗面台も広くて、ドライヤーも用意されていました。さっそく浴室に入ると、こちらは比較的小ぢんまりとしているように感じます。とはいえ、宿の規模からすれば十分に大きい方でしょう。手前側に洗い場が並び、正面には大きな湯舟がありました。わりとシンプルな浴室です。さっそく体を流したところで湯舟に浸かります。湯舟の湯は透き通った綺麗な無色透明の湯です。角の蛇口からトロトロと注がれていました。湯舟は半分くらいの場所で段差があり、奥側は浅く、手前側は深くなっていました。湯はわりとあっさりというか、とてもさっぱりとした刺激の少ない湯のようです。とてもきめ細かいような優しい感触の湯でした。注がれている湯は少し熱めです。ちょっと味見をしてみましたが、ほんの微妙に苦いような気がしますが、ほとんど無味無臭です。今回は小雪混じりの寒い日だったので、とてもこの温かさが身にしみます。ふぅ〜っと体の力が抜けていくような、そんな優しい湯でした。外には露天風呂もあるようです。二重扉になったドアを抜けるとすぐに湯舟がありますが、非常にコンパクトな湯舟です。大人がギリギリ三名ほど入れるでしょうか。二人ぐらいがちょうどいい感じです。また、その湯舟を取り囲むように高い塀が囲っています。何でこんなに高くする必要があるのだろうと不思議に思うくらい、圧迫感のある壁です。壁の下にほんの少し隙間があるので、外に覗いてみますが、特に何もないように感じます。ただ、サラサラと小川が流れるような音が響いています。山の中のとても静かな環境の中にあるので、そのサラサラと流れるせせらぎがとても心地よかったです。露天風呂の湯は内湯よりも少しぬるめのようです。かけ流しになっているようで、湯舟に浸かるとドバーッと溢れ出る湯が、大量です。内湯と露天では温度の違い以外はあまり差を感じなかったのですが、実は別の源泉なのだそうです。内湯は46度の源泉、露天は40度の源泉なのだそうです。露天は40度よりは高い気がしますが、真冬だったので加熱でもしているのでしょうか。でも、やはりぬるいことには違いがなく、ボーッと過ごすにはちょうどいい温度です。この宿は、飲用水は井戸水を使用し、地産地消の食材でおもてなしをしてくれるという宿だそうで、宿泊の拠点として利用しても、非常に良さそうな雰囲気がありました。何もないけれども、とても癒される宿の温泉でした。
掲載: 2022/06/16
Data
  1. 所在地:富山県南砺市法林寺
  2. 入浴 :2021年12月
  3. 泉質 :ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉(低張性アルカリ性高温泉)
  4. 泉温 :源泉46.8度
  5. 成分総計:1.109g/kg
  6. 形態 :温泉旅館 男女別
  7. 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
  8. 露天風呂:あり
  9. 開放度:☆☆
  10. 清潔度:☆☆☆
  11. 気軽度:☆☆
  12. 穴場度:☆☆☆
  13. 秘湯度:☆☆
  14. 景色 :☆☆
  15. 総合評価:☆☆☆