熊本県
きくちけいこくおんせん・いわくら
菊池渓谷温泉・岩蔵
自然美豊かな渓谷沿いの温泉宿
菊池温泉から国道387号線を阿蘇に向かって登っていくと、菊池渓谷という景観のとても綺麗な渓谷があります。奇岩や滝などがあり、ハイキングなどで人気のあるところのようです。その少し下流にある「菊池渓谷温泉岩蔵」を訪れました。菊池川沿いにポツンとある一軒宿ですが、上品な雰囲気が漂う和風旅館です。今回は立ち寄りで入浴をしてきました。建物のある敷地に入ろうとすると、大きな門が構えていて、格式を感じる風格がありました。館内に入るとフロントがありそこで入浴の受付をすると、「浴場は正面の岩の後ろです」と案内されました。ん？ 岩の後ろ？ よくよく見ると大きな岩があり、その裏手に男女別に浴場の入口がありました。あまりにも大きな岩だったので、普通に壁だと思い込んでいました。キツネにつままれたような不思議な気分になりました。さっそく脱衣所に入ると、意外と小ぢんまりとしています。小ぢんまりとはしていますが、やはり旅館の浴場って感じでとても小ぎれいで清潔的な印象です。他の入浴客がいなければ、狭くも感じないことでしょう。浴室に入ると、まずは階段があり、少し低くなったところに浴室がありました。こちらはやや薄暗く、そして小ぢんまりとしつつも落ち着いた雰囲気があります。まずは手前側に洗い場、そして奥に湯舟があります。非常にシンプルな浴室ですが、ジャンジャン掛け流されている湯を見ると、妙に贅沢に感じます。湯舟の湯は無色透明の綺麗な湯です。湯舟に浸かるとヌルっとしたはっきりとした浴感があります。けっこうしっかりとしたヌルヌル感なのでこれは大したものです。そのわりに湯にトロみはなく、すごくあっさりとしています。なので重くもなく、むしろさらりとした軽い感じさえありました。湯は少しぬるめで、まったりと浸かることができます。外側はガラス窓になっていますが、外の緑と露天風呂が見えました。露天風呂へは外側の扉から出入りします。湯舟の先に露天風呂の出入口があるのですが、湯舟の脇に通路が設けられているので、湯舟に浸からなくてもそのまま露天風呂へと出ることができました。露天風呂は岩風呂になっていて、こちらもそんなに規模は大きくはありませんが、やはりゆったりとした雰囲気があります。そしてすぐ脇には菊池川の渓流が流れています。対岸は森になっているので、とてもワイルドな渓谷美を楽しみながら湯を楽しむことができます。湯舟に浸かりながら、川の流れを楽しんでいると、森の中から視線を感じます。ん？と視線を向けると、そこには木の枝にとまったトンビでした。最初は鷹かと思ったのですが、ピーヒョロロと鳴きながら空を旋回していたので、トンビでしょう。そんな自然を感じながらじっくりと浸かっていると、身も心もどんどん癒されていく感じがあり、まさらに癒しを実感できる湯という印象です。川のせせらぎを感じながら、じっくりと温泉を楽しむなんて、非常に優雅な気分です。それにしても小ぢんまりとはしていながら、本当に品のある落ち着いた佇まいです。接客も非常に丁寧で、是非とも宿泊してみたいなと感じる宿でした。
掲載: 2023/09/20
Data
- 所在地:熊本県菊池市重味
- 源泉名:奥菊池温泉
- 入浴 :２０２３年５月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)
- 泉温 :源泉45.5度
- ＰＨ :８．９
- ラドン含有量:1.5×10-10Ci/kg
- 電気伝導率:0.0411S/m
- 密度 :0.9986
- 蒸発残留物:0.268mg/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :自律神経不安定症、不眠症、うつ状態など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 野趣度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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