福島県
こうぼうふどうのゆ
弘法不動の湯
不動様が見守るツルツル極上の湯
福島県鏡石町、東北自動車道の鏡石インターからすぐの場所にある、弘法不動の湯という日帰り温泉施設にやってきました。上りのインターからほんとすぐの場所にありますが、田舎町らしいけっこう長閑な雰囲気がありました。地図に従って辿り着くと、坂の下に小さな建物があります。想像していたよりもずっと小ぢんまりとした雰囲気の温泉施設です。平日の午前中に訪れたのですが、利用客はとても少ないようでした。オーソドックスな建物ながらもとても穴場的な雰囲気がプンプンと漂う、そんな印象です。さっそく館内に入るとシューズロッカーの先に受付がありました。受付の前には小さなロビーというか、けっこうローカル感漂う雑多な雰囲気があります。浴室はその奥にありました。また、脇には休憩間もあるようです。脱衣所に入ると、わりと広めでゆったりとしています。鍵付きのスチールロッカーと、パイプ棚には深めのカゴが用意されています。洗面台も綺麗で清潔感があります。浴室に入ると高齢の先客が１名だけいました。やはりかなり穴場な浴場のようです。手前側に洗い場があり、そして正面に湯舟があるだけの非常にシンプルな浴室です。ですが、やはり外観から想像するよりもゆったりと広めで、また窓が大きくて明るいので、開放感もあります。さっそく体を流して湯舟に浸かりますが、これがまた綺麗な山吹色をしています。山吹色というよりは、それをかなり薄くしたような色で、透明感もあります。湯舟に浸かると、けっこうぬる目の温度です。８月上旬の真夏だったこともあり、この温度はとてもありがたく過ごしやすいです。体感で40度くらいでしょうか。また、湯舟に浸かると瞬間にツルツルっとした浴感が体を包み込みます。湯はとても軽くてサラッとした印象なのに、肌に触れた部分がツルツルっとかなり強めの滑らかさがありました。これはまた優しいのにとてもインパクトの強い湯です。それに加え、牧草の飼料のような軽やかな香りもあり、すごく和むというか、癒される感じです。浴室はとてもシンプルでむしろ殺風景なぐらいなのですが、目を閉じると柔らかな感触に包まれて、極上の気分になります。湯舟に浸かって少しすると、今度は全身が小さな気泡で包まれてきました。肌を撫でるとシュワシュワと細かな気泡が浮いてきます。ツルツルとした浴感との相乗効果でさらにツルッとした浴感が味わえました。とてもシンプルな浴室ですが、壁には温泉に関する説明があります。医学博士の丹羽先生という方の説明だそうですが、けっこう古めかしい言い回しとわかりづらい表現でまとめてあります。ここではさらりと書かれているだけなのでそうでもありませんが、やたらと難しい言葉が並び、大げさな効能を謳う温泉施設をたまに見かけます。温泉に対して絶大な自信があるのでしょうが、せっかくいい温泉がうさん臭く感じてしまうので、逆効果のような気もしますが、まぁ、感じ方は人それぞれですね。それにしてもすっかりいい湯に出会えて幸福感に包まれながらの入浴でした。しかも穴場のようで利用客が少ないのがとても不思議です。とてもいい湯なので、もっと人気があってもいいような気がします。ちなみに施設前にはお堂が建っていて、不動様が祀られていました。江戸後期に造られた不動様のようですが、手厚く綺麗なお堂に祀られていました。お湯のお礼を感謝して後にしました。
掲載: 2023/11/20
Data
- 所在地:福島県岩瀬郡鏡石町池ノ原
- 源泉名:弘法不動の湯
- 入浴 :２０２３年８月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性温泉)
- 泉温 :源泉39.2度
- 湧出量:毎分238リットル
- ＰＨ :９．１
- ラドン含有量:9.43マッヘ
- 電気伝導率:52.1mS/m
- 密度 :0.9987
- 蒸発残留物:0.4236g/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :自律神経不安定症、不眠症、うつ状態など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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