1. トップページ
  2. 温泉天國のススメ
  3. 大船渡温泉・復興の湯

岩手県

おおふなとおんせん・ふっこうのゆ

大船渡温泉・復興の湯

ロケーション抜群、復興のシンボルとなった足湯
2011年3月に起きた東日本大震災。大船渡も大きな被害を受けた都市のひとつです。三陸海岸という特殊な地形が、一部被害を拡大させてしまった要因のひとつと言われています。震災から10年以上も過ぎたこの夏に、観光で大船渡を訪れましたが、都市としては復活して活気がありますが、周囲のいたるところにまだ爪痕が残っていたり、高い堤防が造られていたりと、復興途中という印象がまだまだ残っていました。これは決して大船渡に限らず、東北の太平洋側一帯はずっとこんな感じです。震災直後はかなり大変な日々が続いたはずです。それでも頑張っていこうと、たくさんの人たちの努力で復興してきました。そんな大船渡に「復興の湯」という足湯施設があるとのことなので、立ち寄ってみることにしました。ここは大船渡温泉という、やはり震災後に復興の一環として建てられた大きな温泉宿の敷地内にある足湯施設です。宿泊者でなくても、誰でも無料で利用できる足湯となっていました。そしてこの足湯がまた、とても優雅でしっかりとしたものとなっていました。東屋根のついた大きな足湯で、湯舟の上にはテーブルが用意され、それを取り囲むようにベンチがありました。湯舟の湯は無色透明の湯で、湯舟の中央の底あたりからモコモコと大量に注がれているようでした。真夏の暑い昼過ぎに訪れたのですが、誰も利用していません。まぁ、ただでさえ暑い日中なので、これで足湯に浸かったら汗だくになるのは必須です。でも、気になるので浸かってみることにしました。温度はけっこう高めでしっかりと温まる湯です。無色透明の湯ですが、舐めてみるとマイルドながらもしっかりと塩分を感じる湯です。濾過されているようで、源泉は少し黄色っぽい色をしているそうです。そしてこの足湯の素晴らしいところは、ここからの景色です。大船渡の湾の入口の高台にあり、海を見下ろすように建っているのです。深い青色をした海と正面には尾崎岬の深い緑、そして青い空と、非常に開放的なロケーションです。正面の外洋に面したところには大きな白い堤防が見えます。遠目からは被災の爪痕は見られませんが、その巨大な堤防が震災を物語っているように感じ、非常に感慨深い想いで足湯を楽しみました。ちなみに、この足湯のいいところは、足湯の傍らに水道があることです。ここで足を洗ってから足湯を楽しむことがでます。現代人の足って、靴の中で蒸れた状態であるのでけっこう不潔なんですよね。足湯に浸かる前に足を洗ってから利用できるというのは、すごくいい取り組みだと感じました。大船渡に来ることがあれば、是非ともこの足湯にも浸かって、見事に復興を遂げた人たちの想いを感じながら、このロケーションと足湯を楽しんでもらいたいと思いました。
掲載: 2023/12/03
Data
  1. 所在地:岩手県大船渡市大船渡町
  2. 源泉名:大船渡温泉
  3. 入浴 :2023年8月
  4. 泉質 :ナトリウム・カルシウム−塩化物泉(低張性アルカリ性冷鉱泉)
  5. 泉温 :源泉19.1度
  6. 湧出量:毎分48.6リットル
  7. PH :8.9
  8. 電気伝導率:963mS/m
  9. 密度 :1.0024
  10. 蒸発残留物:7170mg/kg
  11. 形態 :足湯施設 男女混浴
  12. 効能 :きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症など
  13. 脱衣所:なし
  14. 開放度:☆☆☆☆☆
  15. 清潔度:☆☆☆☆
  16. 気軽度:☆☆☆☆
  17. 景色 :☆☆☆☆☆
  18. 総合評価:☆☆☆☆